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【中南米・北米】FAOとIAEA、新大陸スクリューワーム再発生に共同対処。家畜被害に懸念

【中南米・北米】FAOとIAEA、新大陸スクリューワーム再発生に共同対処。家畜被害に懸念 2

 国際原子力機関(IAEA)と国連食糧農業機関(FAO)は6月19日、中米、メキシコ、米国における新大陸スクリューワーム(NWS)の再発生を封じ込め、核技術の活用を通じて駆除する「調整研究プロジェクト(CRP)」を発足した。5カ年で100万米ドル(約1.6億円)の予算を組む。

 NWSは、温血動物に寄生するハエの一種。雌のハエは開放創や粘膜に卵を産み付け、孵化した幼虫は生体組織に食い込み、傷口を大きくし、治療しなければ死に至る可能性がある感染症を引き起こす。ヒトへの感染も確認されている。NWSは、数十年に渡って根絶されていたが、中米とメキシコで再発生し、2026年6月3日には米国でも44年ぶりに確認された。

 NWS感染症の再流行は、家畜、動物福祉、野生生物、公衆衛生に深刻な脅威をもたらしており、社会経済的にも甚大な影響を及ぼす可能性があるという。背景には、気象パターンの変化、グローバル化、国境を越えた動物の違法な移動があり、新たな課題となっている。

 調整研究プロジェクト(CRP)は、各国が不妊昆虫法(SIT)の能力を活用し、NWSの再侵入を阻止できるよう支援するもの。不妊昆虫法(SIT)は、放射線を用いて昆虫を不妊化し、それらを放出して野生個体群と交配させることで子孫を残せないようにし、長期的に害虫の個体数を抑制する手法。SITは、米国、メキシコ、中米からの過去に45年間にわたり実施されたNWS根絶において中心的な役割を果たし、1982年に米国から、2006年にはパナマ南部で根絶が確認されていた。前回の根絶による米国、メキシコ、中米の畜産農家における経済効果は、年間13億米ドルと見積もられている。

 今回のCRPでは、新世界スクリューワームが風土病となっている南米諸国を含む20カ国以上の被害国から一流の専門家を集め、ハエの監視及び防除手法の強化、大量飼育と不妊化技術の改善、交配の適合性や競争力の研究、不妊ハエの放飼を支援する。

 現在の発生への対応には、週に最大6億匹の不妊化ハエが必要となる可能性があるが、緊急対応の取り組みは不妊化ハエの不足に直面している。パナマにある米国・パナマ合同委員会(COPEG)の施設で、唯一稼働しているNWS大量飼育・不妊化施設では現在、週に約1億匹を生産しているが、メキシコのメタパ・デ・ドミンゲスおよびテキサス州ミッションでの生産能力拡大により、今後数年間で週に最大4億匹を追加生産できるようになる見込み。

 さらに、NWS等の越境病害虫の脅威に対処するには、早期発見のための監視システム、実験室および診断能力の向上、訓練を受けた獣医師や動物衛生担当者の育成を統合した協調的なアプローチが必要とも伝えた。

 米食品医薬品庁(FDA)は2025年8月、NWSと闘い、米国の食料供給を守るために、米保健福祉省(HHS)がNWSによる寄生を治療または予防するための動物用医薬品の緊急使用許可(EUA)をFDAが発行できるようにする声明を発表している。

【参照ページ】IAEA and FAO launch project to combat resurgent New World Screwworm outbreak in Central America, Mexico and the United States

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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