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【アメリカ】CSR活動のROIとは?ベライゾンらが研究結果を公表

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 米IT大手のベライゾン、米食品大手のキャンベルスープの協力のもと、サステナビリティ戦略コンサルティング会社のIOサステナビリティおよびバブソン大学と共同で実施したCSR活動のROIに関する研究調査プロジェクト、「プロジェクトROI」によると、優れたCR(Corporate Responsibility:企業責任)プログラムは企業に売上増加、株主価値向上、従業員の生産性向上をもたらすことが分かった。

 プロジェクトROIは、企業のCRポリシーや活動プロセス、プログラムが事業に与える広影響について既存の300以上の研究やデータなどに基づき調査したもので、CR活動の効果や信頼性を高めたい企業に対し、ベストプラクティスに関する明確なロードマップを提示している。

 同調査の研究結果によると、CRプログラムは売上、マーケティング、顧客エンゲージメントに対して大きな好影響を与えるという。優れたCRプログラムは売上および価格プレミアムを20%増加させ、顧客のコミットメントも60%近く高めるとのことだ。調査結果の主な概要は下記の通り。

  • CRはブランド・レピュテーション価値を企業の全体価値のうち11%まで高める力を持っている
  • 過去15年間で、優れたCSRプログラムを展開した企業は平均して株主価値を1.28億米ドルまで増加させている。
  • CRは従業員に対して多大な好影響を与える。強いCRコミットメントを持つ企業は従業員の生産性を13%まで高めるほか、離職率を50%近く低下させることができる。

 一方で、同調査はただ単にCRプログラムを実施するだけでは不十分であり、プログラムは優れた形で展開されなければならないと指摘している。CRプログラムの実施に完全なコミットメントをしている企業は消費者や投資家からの支持を得られるものの、不誠実で見せかけの取り組みだとみなされた企業はCRから利益を得ることはできず、むしろ市場シェアや消費者からのロイヤルティを失うことになると警鐘を鳴らしている。

 IOサステナビリティのCO-CEOを務めるStephen Jordan氏は「企業からのCRプログラムが持つ事業価値に対する疑問とともに、CRプログラムに対する投資の価値とリターンは長らく軽視されてきた。プロジェクトROIは議論を効果的に再設定し、問題は企業がCRプログラムを持つべきかどうかではなく、彼らが目標達成に向けていかに優れたプログラムを設計するかだということを示している」と語る。

 これはごく当然のことだが、CR活動そのものが利益につながるというわけではなく、営業やマーケティング活動などと同様、あくまで大事なのはその「やり方」だということだ。今回の調査は、優れたCR活動は従業員の生産性向上や離職率低下、顧客ロイヤルティの向上、株主価値の向上などを通じて企業に高いROIをもたらしうることを示してくれている。企業のCSR担当者は活動の実施有無ではなくその中身に焦点を当て、ステークホルダーとの積極的な関わりを通じてフィードバックを受けながらプログラムを改善し、CR活動のROIを高めていくことが求められている。

【レポートダウンロード】Project ROI
【参照リリース】New Study, Commissioned by Verizon, Addresses a Persistent Knowledge Gap by Analyzing the Financial Impacts of Corporate Responsibility Programs
【企業サイト】IO SustainabilityBabson CollegeCampbell SoupVerizon

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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