アイルランド医薬調査Assay Genieは3月24日、販売の準備を進める新型コロナウイルス抗体検査キット「COVID-19 Rapid POC CE-IVD」を発表した。抗体検査の所要時間を4時間から15分に大幅に削減できるとした。
インフルエンザやコロナウイルスの検査は、ウイルス検査と抗体検査の2種類がある。ウイルス検査ではウイルスそのものを検出する。ウイルス検査には、検体中のウイルスの遺伝子を数千万倍に増やして検出する「PCR検査」が有名。時間がある程度かかるが、比較的感度が良い。一方、抗体検査は体内のインフルエンザウイルス特異抗体を検出するもの。感度は非常に良いが、時間がかかる課題がある。
現在、ウイルスは高度な分子技術の定量的リアルタイムPCRを介して検出。検査結果が明らかになるまでに4時間要する。今回発表の検査キットでは、新型コロナウイルスの疾患を引き起こす「SARS-CoV-2」に対する患者の生成抗体(IgGとIgMの2種類の抗体)の存在を検出する。
テストは、妊娠検査と同様の技術で開発。ラテラルフローテクノロジーとコロイド金免疫クロマトグラフィーを使用し、1滴の血液内でヒトの血液、血清、血漿中のコロナウイルスと抗体を検出する。陽性の場合、検査キットが変色するという。
同検査キットは、現時点で医療機関向けで、一般開業医やその他医療関係者のみが使用できる。すでにアイルランドや英国他、世界中の多くの病院から要望の声が上がっているとした。
一方、日本では3月18日、新型コロナウイルスの感染の有無を調べるPCR検査について、検査時間を6時間から1時間に短縮可能な機器の開発完了。安倍首相が声明を発表している。
【参照ページ】Rapid COVID-19 Antibody Detection Tests: Principles and Methods