ニューヨーク市年金基金を管理するニューヨーク市財務長官とオランダ公務員年金基金ABPの運用会社APGは5月14日、アマゾン取締役会リーダーシップ開発・報酬委員会ジュディス・マグラス委員長に対し、新型コロナウイルス・パンデミックでの労働安全衛生に関する取締役会の監督内容を5月27日の株主総会で報告するよう求める共同書簡を送付した。
アマゾンは、新型コロナウイルスでEコマース需要が高まる一方、配送センター等での感染対策や情報開示に透明性のなさについての批判が集まっている。米国内でもアマゾン従業員7人が死亡したと報じられている。今回の書簡は、株主として取締役会に対し監督責任と報告責任を果たすよう求めたもの。両者は、合わせてアマゾンに42億米ドル(約4,500億円)投資していることも明らかにした。
【参考】【フランス】裁判所、アマゾンに新型コロナで配送センターの衛生強化命令。全員定期検査へ(2020年4月18日)
今回の書簡では、アマゾンが新型コロナウイルス対策で、2020年第2四半期に約40億米ドル(約4,300億円)の投資を発表したことにも触れ、一方、現場の状況は改善しておらず、本人、家族、同僚、顧客等に感染させないかという恐怖感の中で業務をしていると報じられていることに、株主としての懸念を伝えた。
同書簡では、4つ具体的なアクションを要求した。
- リーダーシップ開発・報酬委員会が進捗の監督のために活用しているパフォーマンス指標(特にアウトカム指標)の報告
- 同委員会が労働安全衛生の確保のために外部専門家を活用しているか否かの報告
- 内部通報の監督状況の報告
- 新型コロナウイルス・パンデミック状況下での同委員会の開催頻度
【参照ページ】Comptroller Stringer, NYC Funds and APG Urge Transparency from Amazon’s Independent Directors Regarding Employee Health and Safety Initiatives Amid COVID-19 Pandemic
【参照ページ】APG urges Amazon to be transparent on employee health and safety measures
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