2050年までの運用ポートフォリオのカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)にコミットするアセットオーナーのイニシアチブ「Net-Zero Asset Owner Alliance(NZAOA)」は2月16日、運用会社に対し、気候ソリューションへの投資を劇的に拡大するため、ブレンデッド・ファイナンスの推進で協働するよう声明を発表した。
ブレンデッド・ファイナンスとは、投資法人(ビークル)を設立し、複数のトランシェを用意して証券化。通常の民間投資に加え、期待リスク調整後リターンを抑えられる国際開発金融機関、政府系金融機関、財団等の投資を加えることで、民間投資を呼び込みやすいファンドを組成することを指す。
今回NZAOAは、注力分野として、気候ソリューション投資と未来のテクノロジーを拡大できる投資セグメントを位置づけ、リアルエコノミーの分野へのファイナンス拡大を要請した。条件としては、気候ソリューションへの注力、経済合理性があり持続可能なビジネスモデルへの投資、民間投資家にとっての協力なリスク緩和メカニズムの導入、運用資産(AUM)の大きい機関投資家に相応しい設計、熟練のファンドマネージャーの運用、高いESG基準を導入しSDGsの他のゴールを損なわない運用を掲げた。
NZAOA加盟のアセットオーナーは今後、運用会社を選定し、ビークルの設計を開始する。アセットオーナーが受託者責任(フィデューシャリーデューティー)を果たせるよう魅力的なリスク調整後リターンのトランシェを実現していく。ビークルの規模は3億米ドル(約320億円)から5億米ドル(約530億円)。
NZAOAは、1月に2025年までのポートフォリオ短期CO2削減目標設定ガイドライン発行。エンゲージメントは重要としつつも、同時に投資先の転換についても積極的に進めていく。
【参考】【国際】投資家団体NZAOA、2025年までのポートフォリオ短期CO2削減目標設定ガイドライン発行。世界初(2021年1月1日)
【参照ページ】NET-ZERO ASSET OWNER ALLIANCE CALLS ON ASSET MANAGERS TO SUPPORT BLENDED FINANCE
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら