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【日本】金融庁、ESG評価機関向けの原則案発表。透明性や利益相反、品質、人材確保等

 金融庁は7月12日、ESG評価・データ提供機関等に係る専門分科会がとりまとめた「ESG評価・データ提供機関等に係る専門分科会報告書」を公表した。同時に、「ESG評価・データ提供機関に係る行動規範」の原案を公表し、パブリックコメントの募集を開始した。

 金融庁の今回の動きは、証券監督者国際機構(IOSCO)が2021年11月、ESG評価機関やESGデータプロバイダーに関する勧告を採択し、日本市場においても同勧告を反映させようとしたもの。

【参考】【国際】IOSCO、ESG評価に関する勧告採択。当局、評価機関、市場関係者、発行体向け(2021年12月4日)

 同報告書は、ESG評価機関に関するビジネスモデルや影響を整理した上で、ESG評価機関向けの行動規範を策定することを提言。原案は、6つの原則で構成されている。

  • 原則1(品質の確保):ESG評価・データ提供機関は、提供する ESG評価・データの品質を確保するべきであり、このために必要な基本的手続き等を定めるべきである
  • 原則2(人材の育成):ESG評価・データ提供機関は、自らが提供する評価・データ提供サービスの品質を確保するために必要な専門人材等を確保し、また、自社において、専門的能力の育成等を図るべきである
  • 原則3(独立性の確保・利益相反の管理):ESG 評価・データ提供機関は、独立して意思決定を行い、自らの組織・オーナーシップ、事業、投資や資金調達、その他役職員の報酬等から生じ得る利益相反に適切に対処できるよう、実効的な方針を定めるべきである。利益相反については、自ら、業務の独立性・客観性・中立性を損なう可能性のある業務・場面を特定し、潜在的な利益相反を回避し、又はリスクを適切に管理・低減するべきである
  • 原則4(透明性の確保):ESG評価・データ提供機関は、透明性の確保を本質的かつ優先的な課題と認識して、評価等の目的・考え方・基本的方法論等、サービス提供に当たっての哲学を一般に明らかにするべきである。また、提供するサービスの策定方法・プロセス等について、十分な開示を行うべきである
  • 原則5(守秘義務):ESG評価・データ提供機関は、業務に際して非公開情報を取得する場合には、これを適切に保護するための方針・手続きを定めるべきである
  • 原則6(企業とのコミュニケーション):ESG 評価・データ提供機関は、企業からの情報収集が評価機関・企業双方にとって効率的となり、また必要な情報が十分に得られるよう、工夫・改善すべきである。評価等の対象企業から開示される評価等の情報源に重要又は合理的な問題提起があった場合には、ESG 評価・データ提供機関は、これに適切に対処すべきである

 また、同報告書は、企業に対しては積極的な情報開示を、投資家に対しては、ESG評価機関及び企業との積極的な対話を提言した。

【参照ページ】「ESG評価・データ提供機関等に係る専門分科会報告書」の公表について

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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