経済協力開発機構(OECD)は、化学物質の健康、安全、環境に関する情報開示を促すための政策アプローチに関し、ベストプラクティス・ガイドを発行した。OECD理事会は2021年9月、同分野の情報開示を促す勧告を発表。今回のガイドは、法的拘束力のない勧告の補足文書としての扱い。
OECDでは目下、化学物質の健康、安全、環境に関するデータの開示と、企業所有権の機密の両立するためのルール形成について作業を進めている。2021年9月の勧告では、企業の所有権保護を重視しつつも、政府が透明性の高い情報開示を進めるべきとの方向性を勧告していた。
今回のガイドでは、各国での法規制で、複数のアプローチがあることを紹介。また、重要な検討事項として2つを挙げている。まず、企業が提供するデータを政府がどのように科学的に審査・監督できるかという課題。もう一つが、情報開示とともに、企業の機密情報や知的所有権を保護しながらイノベーションを加速できるかという課題。
同ガイドは、政府は審査のために企業から多くの情報を収集する必要があるが、同時に企業所有権を保護するため、全ての情報を公表できないというジレンマを抱えるとの構造的問題に言及。そこで、同問題を巧みに克服している政府や企業の実践例をベストプラクティスとして提示した。その中では、企業から提出されたデータを政府が二次利用する場合に、企業からの同意を事前に取り付けるアプローチも紹介されている。
【参照ページ】BEST PRACTICE GUIDE FOR ACCESS AND PROTECTION OF PROPRIETARY RIGHTS TO NON-CLINICAL HEALTH, SAFETY AND ENVIRONMENTAL DATA AND INFORMATION ON CHEMICALS
【参照ページ】Recommendation of the Council OECD Legal Instruments Concerning Access and the Protection of Proprietary Rights to Non-Clinical Health, Safety and Environmental Data and Information on Chemicals
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