バイオ医薬品メーカーの世界大手・オーストラリアのCSLが、2013年度のサステナビリティレポートを発表し、1年間の成果を報告した。CSLは製薬業界の中でも、主に難病を対象とするバイオ医薬品を扱っている。主要拠点は本社のあるオーストラリアの他、ドイツ、スイス、アメリカにある。世界25カ国で事業活動を行い、従業員数はグループ全体で約11000人。
同社がレポートの中で報告している重要トピックスとしては、
- 重病に対する17の新製品の認可を獲得し
- 35の臨床研究に対して4億2700万米ドルを投資
- 保有施設に対して180以上の当局監査で、製品ライセンスに影響のある判断はゼロ
- 雇用を7%増加。投薬治療を要した人は41%増えたが、労働損失時間及び日数は減少。
- 事業所数が大きく増加したにもかかわらず、全体の環境負荷は削減
- 世界の社会貢献として3600万米ドルを投資
- 15の言語で自社の「責任ある事業活動」憲章を発表
製薬業界は世界の健康を改善するという事業の性質上、事業活動そのものがとても社会性が強い。その中で、CSLは重病対策という事業領域そのもので自社の社会への価値を最大化しようとしているし、その取組成果自体を堂々とサステナビリティレポートに記載している。その上で、事業活動から生じる環境負荷を削減し、労働環境も改善しようとしている。欧米企業では、企業活動そのものを社会に組みこんでいくため、自社の事業活動(営利活動)が社会や環境に与えて成果を、サステナビリティレポートの中にしっかり盛り込んでいく企業が多い。そのおかげで、読者にとって、企業のトリプルボトムラインの価値をひと目で理解しやすいものになっている。
【企業サイト】CSL Limited
【CSRレポート・ダウンロード先】Our Corporate Responsibility 2013
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