サステナビリティ分野のグローバルオピニオン形成をリードする団体のトップに選出されたのは、南米企業のリーダーだ。世界250社以上のグローバル企業を会員に抱え、サステナビリティ分野のコンサルティングなどを手掛ける国際NPOのBSRは4月9日、同団体の4人目となる理事長にブラジルの化粧品大手、ナチュラ・コスメティコス(以下、ナチュラ)の元CEO、Alessandro Carlucci氏を指名したと発表した。
ナチュラはブラジルを代表する化粧品メーカーで、天然由来の素材を利用した製品や環境保護への取り組みなど、サステナビリティ分野の先進企業としても著名な企業だ。同社は世界最大の認定Bコーポレーションでもあり、事業そのものを通じて環境・社会に貢献する姿勢は各方面から高い評価を受けている。Carlucci氏の在職期間中、同氏のリーダーシップのもとでナチュラの事業は4倍以上に成長し、カーボンフリーも達成した。
今回の選任にあたり、Carlucci氏は「突出した人材と素晴らしい目的を持つBSRの一員になれることは光栄で、とても楽しみだ。サステナビリティに深くコミットしている企業で数年間に渡り働いた後に、今度は全く別の視点から同じ課題に対応するのは素晴らしい経験になるだろう」と語った。
Carlucci氏は既に10年間務めていたナチュラのCEO職を退いており、今年の6月からBSRの現理事長、Mats Lederhausen氏の後を継いで新理事長に就任する。Carlucci氏は新役職のため、今年半ばにブラジルのサンパウロからニューヨークに移転する予定だという。
BSRのCEOを務めるAron Cramer氏は「Carlucci氏のリーダーシップのもと、我々および我々の会員企業は大いに恩恵を受けるだろう。私はCarlucci氏のような真のサステナブル・カンパニーを率いてきた経験と素晴らしい実績を持つビジネスリーダーと共に働くことができることを心から楽しみにしている」と語った。
サステナビリティの分野はこれまで欧米企業を中心に世界のトレンドが形作られていたが、「【戦略】新興国で興隆する新たなCSRリーダーシップの動き 〜インド・中国・中南米〜」でもご紹介したように、徐々に世界のサステナビリティを取り巻く枢軸は新興国へと移り変わりつつある。今回のナチュラ元CEOのCarlucci氏のBSR理事長就任も、その一つの象徴的な出来事と言えそうだ。Carlucci氏のリーダーシップによりBSRがさらにどのように進化するのか、今後の活躍に注目が集まる。
【団体サイト】BSR
【企業サイト】Natura Cosméticos
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