アカウンタビリティに関する国際基準を発行している英国のNGO、AccountAbilityは11月17日、改訂を進めていたステークホルダー・エンゲージメントに関するフレームワークのAA1000 Stakeholder Engagement Standard(AA1000SES)2015の最終版を公表した。
AA1000SESはAA1000シリーズの一つで、効果的なステークホルダー・エンゲージメントの評価、デザイン、実践、そしてコミュニケーション手法に関する実用的な手引きとなっている。ステークホルダー・エンゲージメントのマネジメントサイクル全体における手順が、専門家や実務家らの最新の視点を踏まえて解説されており、リスク管理や操業許可、ブランド強化、組織全体のサステナビリティパフォーマンス向上のためのツールとして活用できるようになっている。
今回の最新の基準自体も、高品質なエンゲージメントのためのベンチマーク確立に向けた、数年にわたる広範かつ国際的なマルチステークホルダープロセスの結果として完成されたものだ。
AccountAbilityのCEOを務めるSunny Misser氏は「我々は、AA1000SESは今後、高品質なステークホルダー・エンゲージメントを実行するためのシンプルかつ適切で実践的なフレームワークとなると信じている。AA1000SESにより、組織はステークホルダーを価値創造の積極的な貢献者へと変えることによって自身のエンゲージメントに対するアプローチを再考できる」と語る。
公的機関、民間機関、市民団体など、どのような規模の組織にも適用できる。プロジェクトタイプ(期間限定型)の活動にも、長期間におよぶ業務の遂行にも適していることも特長だという。
AA1000SES は組織内部・外部の双方のエンゲージメントに適用可能で、規模を問わずどのような公的機関や民間企業、市民団体も参照できるようになっている。また、同フレームワークはプロジェクト型の活動にも長期間のエンゲージメントにも活用できるとのことだ。
組織が複雑なサステナビリティ課題に対処するためには、ステークホルダー・エンゲージメントが欠かせない。しかし実際にはその効果的なプロセスの設計や、成果につながる評価、改善サイクルを回していくことはなかなか難しい。
AA1000SESでは、そもそものAA1000の原則に始まり、ステークホルダー・エンゲージメントの目的やスコープ設定、そしてPlan(計画)、Prepare(準備)、Implementation(実行)、Review and Improve(評価・改善)という一連のサイクルに沿って分かりやすいフレームワークを提示しているので、自社の現状の活動を見直す上でも、これから本格的に取り組む上でも非常に参考になる。ガイドラインは下記からダウンロード可能。
【ガイドラインダウンロード】AA1000 Stakeholder Engagement Standard (AA1000SES) 2015
【参照リリース】AccountAbility Releases Global Standard in Stakeholder Engagement
【団体サイト】AccountAbility
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