英国に本拠を置くコスメメーカー大手のザ・ボディショップは2月10日、創業40周年を記念して同社の新たなグローバルCSR戦略を公表した。
"Enrich Not Exploit"(搾取ではなく、豊かに)と題した今回の新たなコミットメントは、ザ・ボディショップを世界で最も倫理的かつ持続可能なビジネスにすることを目的とするもので、2020年までのグローバル全体におけるCSR活動および全ての事業にわたる計測可能なCSR目標を提示している。
ザ・ボディショップは、常に企業は善や変化を促進する力であると信じているとしており、新たなコミットメントも同社の基盤である卓越した倫理的原則を尊重したものとなっている。
コミットメントは原材料から製品、パッケージ、店舗、従業員、サプライヤー、キャンペーンなど同社の事業活動全体に及んでおり、CSR戦略の柱として「Enrich our people(人々)」「Enrich our products (製品)」「Enrich our planet(地球)」の3つが掲げられ、2020年までの具体的な目標として14の目標が設定されている。
「人々」については、コミュニティ・トレードの原材料を現行の19種類から40種類へと拡大すること、全世界で4万人の貧困層に対する就労支援を行うこと、「搾取ではなく、豊かに」のコミットメントに800万人の人々の参加を促し、同社最大規模となるキャンペーンを展開すること、地域社会の生物多様性保全に向けた25万時間分のスキル・ノウハウを提供することが目標として掲げられた。
また、「製品」については天然成分の100%を追跡可能かつ持続可能な形で調達し、1万ヘクタールの森林や生物生息地を保護すること、全製品カテゴリーにおいて毎年環境フットプリントを削減すること、製品の天然由来の材料、グリーンケミストリー(環境に優しい合成化学)由来の材料の使用、および生物分解性とウォーターフットプリントについて公表することなどが掲げられている。
さらに、「地球」については、新たに持続可能なパッケージの開発・提供、製品パッケージの70%で化石燃料を使用しない、全店舗のエネルギー利用量を毎年10%ずつ削減、などの目標が設定されている。
ボディショップの会長兼CEOを務めるJeremy Schwartz氏は「当社は企業として勇気をもって新たな思考、行動、主張を行っている。我々の画期的なキャンペーンは時代を先取りし、動物実験、ドメスティック・バイオレンス、人身売買に関する法律に変化をもたらしてきた。化粧品業界で初めてコミュニティ・トレードを採用し、現在も業界の中で最も有力なプログラムとなっている」と語る。
常に倫理的であることを企業としての価値観に据えて事業を展開してきたザ・ボディショップは、世界中の多くの消費者からの支持を受けて既にエシカルブランドとしての確固たる地位を築きつつある。今回のコミットメントを機に同社がどのような更なる進化を遂げるのか。今後の取り組みに期待がかかる。
【参照リリース】At Forty, The Body Shop Launches Pioneering New Commitment In Drive To Be The World's Most Ethical And Sustainable Global Business
【企業サイト】Body Shop
(※写真提供:TungCheung / Shutterstock.com)
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