【国際】世界大手企業27社CEO、気候関連財務情報開示タスクフォースの最終報告書案を強く支持 2017/04/25 最新ニュース

 世界の大手企業27社のCEOは4月21日、昨年12月に発表された金融安定理事会(FSB)の気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の「最終報告案」に賛意を示し、最終報告書案で定められた情報開示ガイドラインの導入に向けて積極的に活動していくことを表明する共同声明を発表した。同時にG20諸国に対し、最終報告書案を受諾し行動に移すよう要請した。

【参考】金融安定理事会のタスクフォース(TCFD)、気候変動関連財務情報開示の最終報告書案を発表(2016年12月21日)

 今回の共同声明発表は、世界経済フォーラム事務局が招集した「CEO気候リーダーズ同盟(Alliance of CEO Climate Leaders)」の場で行われた。発表に加わった27社は、欧州の企業が中心だが、米国、ブラジル、中国、インドの企業も参加。日本企業は、2007年に東証一部上場廃止となり、2015年に日本アジアグループの完全子会社となった国際航業の1社。また、共同声明は、全て会長やCEOの名前で署名がなされている点も特徴的だ。

社名 業種 役職
ユニリーバ 英国・オランダ 消費財 CEO
ジョンソンコントロールズ 米国 電気・電子 会長兼社長兼CEO
シュナイダーエレクトリック フランス 電気・電子 会長兼CEO
フィリップス・ライティング オランダ 電気・電子 CEO
DSM オランダ 化学 CEO兼取締役会議長
ソルベイ ベルギー 化学 CEO
ラファージュホルシム スイス 化学 CEO
ルサール ロシア アルミニウム 社長
アリアンツ ドイツ 保険 CEO
スイス再保険 スイス 保険 CEO
UBSグループ スイス 銀行 CEO
HSBCホールディングス 英国 銀行 グループ・チーフ・エグゼクティブ
INGグループ オランダ 銀行 CEO
Capricorn Investment Group 米国 投資運用 マネージング・パートナー
PwC 英国 監査法人 グローバル会長
アクセンチュア 米国 コンサルティング 会長兼CEO
スエズ・エンバイロメント フランス 水処理 CEO
アラップ 英国 エンジニアリング 会長
アクシオナ スペイン エンジニアリング 会長兼CEO
国際航業 日本 エンジニアリング 会長兼CEO
エネル イタリア 電力 CEO兼ゼネラル・マネージャー
エンジー フランス 電力・ガス CEO
インベルドローラ スペイン 電力 会長兼CEO
GranBio Investimentos ブラジル バイオ燃料 CEO
ジンコソーラー 中国 太陽光発電パネル 会長
Avaada Group インド 再生可能エネルギー 会長

 TCFDの最終報告書案では、金融機関及び全業種の事業会社に対して、気候変動がもたらす事業リスクと事業機会が、企業の財務諸表に与える影響を自主的に情報開示することを求めている。情報開示が推奨される項目の中には、気候変動の温度上昇シナリオに基づき、企業の財務影響をシナリオ分析することを求める内容も含まれている。但し、最終報告書案は、あくまで「任意」のガイドラインであるため、義務化や強制力は伴うものにはなっていない。また、最終報告書案を各国政府がルール化するかどうかについては各国の判断に委ねられており、欧州ではルール化に意気込む国がある一方、日本政府は目下、産業界の自助努力として位置づけ、様子を見る方針。

 また、共同声明では、最終報告書案の残課題として、気候変動など長期的リスクのガバナンスが取締役会の役割の一つであることを明確にすること、最終報告書案が求める継続的な情報開示に向けたガイダンスや基準を開発すること、情報開示の質をチェック・モニタリングするためのベンチマークツールを開発することを挙げ、これらを整備することで、実効性が上がるとした。また、カーボンプライシング、化石燃料に対する補助金の段階的撤廃など他の仕組みも気候変動対応に向けて有効だとしつつも、気候関連財務情報開示が果たす役割は特に大きいとした。

【参照ページ】Global CEOs call for greater disclosure of climate risks and opportunities

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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