【国際】ワシントン条約常設委員会、日本の象牙取引状況を来年の会合で報告するよう要求 2017/12/13 最新ニュース

 絶滅危惧種の国際取引を規制するワシントン条約(CITES)の第69回常設委員会会合(SC69)が、11月27日から12月1日までスイス・ジュネーブで開催され、12月4日、常設委員会の決定事項が公表された。日本政府は今回の常設委員会の委員ではなく、オブザーバー参加した。

ローズウッド類輸出規制強化

 

 昨年の第17回締約国会議(COP17)では、主にギター、弦楽器、木管楽器の材料であるローズウッドがワシントン条約の規制対象となり、国際取引に際しCITES認証習得が義務付けられた。しかし、「Non-commercial」等の規制文言が曖昧なため、次回COP18で定義を明確にすることとし、それまでは簡潔な国際取引を許容すると判断した。

 マダガスカルでは、違法木材伐採や違法貿易の慣行が指摘されており、取締を強化するまで同国のローズウッドと黒檀の輸出は停止されているが、今回マダガスカル政府より、輸出解禁の要求があった。これに対し常設委員会は否決し、現行の輸出停止を継続することを決めた。輸出解禁には、ローズウッドや黒檀の木材類のうち3分の1以上が、詳細な使用計画に従い、さらに監査を受け、内容を常設委員会が受取、許可することを解禁の条件とした。

 また、ナイジェリア産コソ材について、同国が発行するCITES認証をCITES事務局が認めない限り信用しないことを決めた。ナイジェリアに技術団を派遣し、同国税関チームと連携強化する。

センザンコウの違法取引撲滅

 

 センザンコウは最も違法取引が横行する哺乳類。ワシントン条約の取引禁止対象となっているが、アフリカやアジア各国で8種全てのセンザンコウの取引が発覚している。中国では先日約2万匹のセンザンコウが押収された。このような違法取引をなくすため、締約国対し厳格な法施行を勧告した。野生生物犯罪と闘う国際コンソーシアム(ICCWC)の関係機関は、違法取引への関与が高いとされる国に対し、分析、調査、情報交換、計画策定の面で支援することが推奨した。

象牙の違法取引撲滅

 象牙の違法取引への関与レベルが高い国に課す国内象牙行動計画(NIAP)の対象国として、カタール、日本、シンガポール、南アフリカ、スリランカが候補に上がったが、カタールのみに求めることを決定した。今回対象とならなかった国は、次回の常設委員会会合(SC70)で、象牙取引管理の取組状況を報告することが決定された。

 一方、すでにNIAPが課されている国の報告内容がレビューされ、中国、香港、ケニア、フィリピン、タイ、ウガンダについては適切にNIAP報告がされ、計画に基づいた行動がとられていると判断した。しかし違法取引は続いているため今後も注視していくとした。マレーシアとベトナムに対しては、NIAPの修正を求めた。カメルーン、エジプト、エチオピア、タンザニアの4か国については、まだNIAP報告がなされていないと警告し、今後60日以内に計画が提出されない場合は取引停止措置を取る可能性に言及した。

日本のイワシクジラ漁

 日本政府は、新北西太平洋鯨類科学調査に関し,公海において捕獲されたイワシクジラの日本への輸送が,ワシントン条約で規制されている商業目的のために行われたものに該当するか否か等について、合法性を主張する報告書を提出した。常設委員会は、CITES事務局に対し、追加情報の必要是非について判断するよう求めた。また、日本政府からの招聘に応じ、北太平洋におけるイワシクジラ捕獲を科学、事務、法的な側面から評価するための調査団を送るようCITES事務局に求めた。調査報告は、2018年10月にロシアのソチで開催される第70回常設委員会会合で行う。

メキシコのコガシラネズミイルカ保護

 コガシラネズミイルカとトトアバはワシントン条約の規制対象となっているが、トトアバの浮き袋は中国での需要が高く、米国を通して密輸されることが多い。常設委員会は、CITES事務局長に対し、2018年2月にメキシコに出向き、コガシラネズミイルカの保護活動やトトアバの違法漁業撲滅に向けた活動を視察するよう求めた。

貿易停止

 常設委員会は、条約締約国に対し、過去3年間連続で年間報告書を提出していないブルネイ、ジブチ、ドミニカ、赤道ギニア、セントビンセントおよびグレナディーン諸島との貿易を中止するよう求めた。また、モンゴルとチュニジアについても、野生動物保護の法的措置に進展が見られないとして、同様の対応を求めた。

 その他、スイス政府からCITES事務局に対して100万スイスフランが、EU、ドイツ、英国の各政府から野生生物犯罪と闘う国際コンソーシアム(ICCWC)から合計2,000万米ドルが拠出された。

 次回の常設委員会会合(SC70)は2018年10月にロシア・ソチで、また3年毎に開催される締約国会議の次回COP18は、2019年5月にスリランカ・コロンボで開催される。

【参照ページ】World’s wildlife trade regulator focused on front-line action. Pangolins, whales, elephants, precious timber on the priority list for 2018
【参照ページ】ワシントン条約第69回常設委員会会合

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