【ドイツ】与野党大連立協議、2020年のCO2排出削減目標を後退。2030年目標は維持 2018/01/17 最新ニュース

 ドイツのメルケル首相率いる保守与党・キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と野党第1党・社会民主党(SPD)は1月8日、大連立政権の樹立に向けたエネルギー関連の政策協議を行い、2020年までに二酸化炭素排出量を1990年比40%削減するとした国家目標を非現実的とし、達成を2020年代前半に延期することで合意した。

 与党CDO・CSUは、2017年9月総選挙で第1党(33%)は維持したものの、議席数を大幅に減少に少数与党に転落。政権安定化のために野党との連立を目指している。SPD(議席20.5%)はかつてCDU・CSUと連立を組んでいたが、2013年総選挙で敗北を喫し野党に転じている経緯があり、再度の連立には慎重な姿勢。しかし、自由民主党や緑の党などの他の野党との連立協議が失敗に終わったCDU・CSUには、SPDとの連立が最も現実的な選択肢と言える。メルケル首相は、長期にわたり世界の気候変動の議論をリードする立場にあったが、今回2020年までの二酸化炭素排出量目標を後退させることとなった。

 しかし、2030年までの長期目標については後退を免れた。両党の協議で、2030年までに二酸化炭素排出量を1990年比55%削減させる現行の政府目標は維持することでは合意。さらに、電力消費に占める再生可能エネルギー割合を現状の33%から2030年には65%に増加させることでも合意した。1次エネルギー需要に占める再生可能エネルギー割合を2025年までに44%から45%に引き上げる計画も確認した。また、今回の協議では、エネルギーコストを削減するため、消費電力に課す税金を引き下げるることでも合意。さらに、太陽光発電と陸上・洋上風力発電合計4GWについても入札を行うことでも合意した。石炭火力発電からの撤退はすでに合意されており、2018年年末までに計画を提出する予定。

 別の情報筋によると、両党は、高額所得者に対する所得税率の引き上げでも一旦は合意したが、最終的には見送られた。CDU・CSUが昨年の総選挙で公約に掲げた減税は、段階的に進めるという。SPDは、労働者の健康増進に向け、公的保険と民間保険の2本立てになっている健康保険制度を一本化したい意向を示していたが、こちらは見送り。またSPDは、移民に関しても受入緩和策を進めたいと主張してきたが、受け入れを年間約20万人とし、さらにドイツ在住の難民に対し、親族の呼び寄せを毎月1,000人までに制限することでも同意したという。

 今回の政策協議は、各党政調レベルの合意であり、最終合意には党首間合意が必要となる。メルケル首相も最終合意までには道のりが長いという見解も氷見している。連立に前向きなSPDのマーティン・シュルツ党首も、島内の連立反対派の説得と、党大会での政権協定交渉承認を勝ち取る必要がある。

【参考ページ】German coalition negotiators agree to scrap 2020 climate target: sources
【参考ページ】Germany coalition talks: Merkel welcomes breakthrough

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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