【国際】日本はサプライチェーンでの現代奴隷関与度が世界第2位。GSI 2018レポート発表 2018/07/25 最新ニュース

 オーストラリア人権NGOのWalk Free Foundationは7月19日、2018年の「Global Slavery Index(GSI)」を発表した。Global Slavery Indexは、現代奴隷やヒューマントラフィッキングに関する各国の状況を評価した報告書で定期的に発行されている。評価対象は世界167ヶ国。政府、企業双方の取組が採点された。今回はその中でもG20諸国のサプライチェーン状況について特に詳細分析を行った。GSIは2013年に発行を開始し、その後2014、2016年と続き、今回が4回目。

 現代奴隷は、強制労働と強制結婚の2つで構成される。強制労働には性搾取労働や政府による使役や刑務作業も含まれる。現代奴隷については、2017年に国際労働機関(ILO)とWalk Free Foundationが、国際移住機関(IOM)と協働し、統計手法を固め、世界の各地域の現代奴隷の推計値を発表。一方、GSIは、Walk Free Foundationがさらに独自調査を実施し、各国毎の現代奴隷数を統計的に推計している。Walk Free Foundationは今回、54の確率推計用調査を実施し、48ヶ国から約71,000人の回答を得た。

【参考】【国際】2016年の現代奴隷4,000万人、児童労働1.5億人。ILO統計発表。減少速度が低下と警鐘(2017年10月2日)

 人口当たりの現代奴隷数が多いのは、上位から北朝鮮、エリトリア、ブルンジ、中央アフリカ、アフガニスタン、モーリタニア、南スーダン、パキスタン、カンボジア、イラン。一方、基本的に先進国は少なく、日本は167ヶ国中で最も人口当たりの現代奴隷数が少なかった。但し、Walk Free Foundationは、他の地域に比べ東アジアでの調査は不十分なものに留まったとしている。しかしながら、先進国においても、米国には約40万人、英国にも約14万人の現代奴隷がおり、かつての推計値と比べると米国は7倍、英国は12倍の現代奴隷を国内に抱えていると警鐘を鳴らした。

 G20諸国のサプライチェーン全体では、年間で3,540億米ドル(約40兆円)相当の輸入に現代奴隷が関与していると算出。国別では米国が1,440億米ドル、日本が第2位で470億米ドル、ドイツ300億米ドル、英国180億米ドル、フランス160億米ドル、カナダ150億米ドル、韓国140億米ドルの順。日本がサプライチェーン上に多くに現代奴隷リスクを抱えていることがわかる。品目別では、電子機器が2,000億米ドルで最多。その後、衣類1,277億米ドル、水産資源129億米ドル、カカオ36億米ドル、さとうきび21億米ドルと続く。

 現代奴隷への関与を防止する政府政策の評価では、英国、米国、イタリア、ドイツ、フランス、中国、ブラジルはアクションを開始していると評価。一方、日本、カナダ、ロシア、オーストラリア、韓国、インド、インドネシア、トルコ、サウジアラビア、南アフリカ、メキシコ、アルゼンチンについてはアクションが取られていないとした。GSIでは、167カ国の政策をA、BBB、BB、B、CCC、CC、C、Dの8段階で格付。日本はCCCと低かった。最高格付Aを取得したのは唯一オランダのみ。

 GSI2018から、日本は国内には現代奴隷が少なく比較的健全な状態にあるといえるが、国外には多くの現代奴隷に関与しており、その規模は世界第2位。国内と同じ感覚で海外を見ていてはリスクマネジメントはできない。

【参照ページ】DEVELOPED NATIONS FAR MORE EXPOSED TO SLAVERY WITHIN THEIR BORDERS THAN PREVIOUSLY THOUGHT
【レポート】Global Slavery Index 2018

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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