投資運用世界大手英シュローダーとAviva Investorsの両首脳は11月6日、業界団体Investment Associationのカンファレンスの中で、2019年12月から施行予定の「シニア・マネジャーおよび認証レジーム(SM&CR)」ルールについて、組織の階層意識を強化してしまい組織文化に悪影響が起きると懸念を示した。
シニア・マネジャーおよび認証レジーム(SM&CR)は、英金融行為規制機構(FCA)が策定したルールで、すでに銀行と保険会社では2016年から施行されている。同ルールでは、企業経営に必要な基本的な監督と執行の双方の責任事項を「事前に定められた責任(Prescribed Responsibility)」として指定し、その責任を負う具体的な役職者を規定し、設置を義務化するもの。背景には、相次ぐ金融スキャンダルへの対策として、役職者の責任を明確にする狙いがある。導入されたルールでは、銀行では「シニア・マネジャー・レジーム(SMR)」、保険会社では「シニア・インシュランス・マネジャー・レジーム(SIMR)」という名称が与えられている。
FCAは2018年4月、シニア・マネジャーおよび認証レジーム(SM&CR)を運用会社に対しても適用すると発表。2019年12月から施行されることとなっている。
【参考】【イギリス】金融行動監視機構、運用会社のガバナンス新ルール導入。社外取締役2名以上選任等(2018年4月13日)
今回、シュローダーのピーター・ハリソン・グループ チーフ・エグゼクティブは、組織階層意識を助長し、風土が悪くなると懸念を表明。AVIVA InvestorsのEuan Munro CEOも、これまで、一般管理職で対応していた権限が上級管理職に吸い上げられることになり、仕事の楽しみを奪うと危惧を明らかにした。
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