米Changing Markets Foundationは11月27日、中国のビスコース産業が集う「ビスコースの持続可能な開発同盟(CV)」が、同財団が策定した3年間のロードマップを遵守しておらず、アパレル世界大手が支持するNGOの要求基準を満たしていないとするレポート「Dirty Fashion: Spotlight on China」を発表した。ビスコースはレーヨンの原料。
中国はアパレル生地生産世界一の国で、ビスコース生産でも世界シェア63%を占める。またビスコースは世界の主要繊維の中でも使用量3位。ビスコースは、生分解性があるため、化学繊維よりも環境に優しく、また大量に水を使うコットン(綿)と比べても水使用量を抑えられる。しかし、ビスコースは、天然の木材等のセルロースを原材料とするため、原材料調達に問題を抱えることがある。インディテックス、ASOS、H&M、テスコ、マークス&スペンサー、エスプリ、C&A、Nextのアパレル大手8社は、ビスコース生産者に対し、Changing Markets Foundationのロードマップを遵守するよう明言している。同ロードマップは、現在最も先進的なビスコース環境ガイドラインである「EU Best Available Techniques(BAT)」を基に作られている。
世界大手では2強のオーストリアLenzingと印アディティア・ビルラ・グループは、すでにBAT基準を満たしている。一方、CVに加盟する企業を含め中国企業は、BAT基準を基にしたChanging Markets Foundationの基準だけでなく、中国政府推奨の基準も遵守できていないという。ロードマップの実施状況を開示していないことも批判の対象となっている。
【参照ページ】Chinese viscose sector’s sustainability roadmap fails to deliver
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