英環境NGOのCHEM Trustは12月17日、英国の各州政府に対し情報公開請求を行い、過去5年間の商品に対する行政の有害化学物質監督の結果を分析したレポートを発表。驚くことに、有害化学物質テストが行われた商品のうち23%で、法定EU基準を超える有害化学物質が検出されていたことがわかった。欧州委員会の緊急通報システムにも、玩具の有害化学物質テストを求める多数の声が上がっており、欧州全体で問題化してきている。
CHEM Trustは今回、英国の164の全州政府に対し、州政府の責務となっている有害化学物質含有に関するサンプル調査の監督結果の公開を要求。その結果、88州政府(54%)は法定義務のサンプル調査を行っている一方、51協議会(31%)は10回未満しか行っておらず、さらに58州政府(35%)は一度もサンプル調査を実施していなかったことがわかった。
さらに適切にサンプル調査を行っていた88州政府のうち、46州政府(52%)で有害化学物質が法定基準を超える商品が検知された。商品数で換算すると、のべ2,199個のサンプル調査に対し、495個(23%)で基準値を上回る有害化学物質が検出された。しかし、そのうち17州政府しか法的措置を採っていなかった。今回、基準値を上回る有害化学物質が検出されたおもちゃの多くは、スライム状の玩具。またキャラクター人形でも多く検出されているという。EUの
関税当局は11月、税関で中国製人形約3万個を、有害化学物質リスクのため廃棄したことも発表している。
EUでは、食品以外の商品について欧州委員会に調査を求めることができる「緊急通報システム」制度があるが、563件の通報に対し、おもちゃの有害性に関するものは290件と多数を占める。環境NGOのEuropean Environmental Bureau(EEB)は、政府機関に対し、国連が「サイレント・パンデミック」と呼ぶ有害物質蔓延問題に対する早急の対策を求めている。
【参照ページ】Survey of councils finds that UK shoppers aren’t properly protected from illegal levels of hazardous chemicals in the products they buy
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