欧州委員会は1月22日、決済世界大手米マスターカードに対し、EU競争法違反で5億7,056万6,000ユーロ(約712億円)の罰金支払を命じた。2015年12月以前の決済銀行の国際決済において、単一市場ルールへの違法があったと判断した。
マスターカードは、クレジットカード決済額で世界第2位。カード決済では、小売企業側の銀行が購入者側の銀行に対し仲介手数料を支払っており、マスターカードのルールでは、仲介手数料率は小売側の立地国の料率を適用することになっている。しかし、2015年12月9日に施行されたEU仲介手数料規則で上限決済手数料率がクレジットカードで0.3%、デビットカードで0.2%に設定される前は、マスターカードのルール上の料率が立地国毎に異なっていた。EUのルールでは、欧州経済領域(EEA)内では競争上の条件を一律にしなければならず、高料率国に立地する企業が悪条件で決済手数料を払わさせられていたと判断された。
欧州委員会は2013年にマスターカードへの競争法上の調査を公式に開始。2015年に7月にはマスターカードに対し、違法性を示す「異義告知書(Statement of Objections )」を発していた。一方、マスターカードは、欧州委員会の調査に協力。その結果、最終的な罰金額は10%減額された。
不利な条件で高い決済手数料を支払った個人または法人は、各EU加盟国の裁判所に対し、賠償請求を求めることができる。
【参照ページ】Antitrust: Commission fines Mastercard €570 million for obstructing merchants' access to cross-border card payment services
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