国際環境NGOネットワークのGlobal Alliance for Incinerator Alternatives(GAIA)は4月23日、環境NGOグリーンピースの東アジア支部のデータを活用し、世界のプラスチック輸出大国21ヶ国とプラスチック輸入大国21ヶ国の最新状況をまとめたレポートを発表した。日本は近年、従来プラスチック廃棄物輸出量世界トップの米国を抜く勢いでプラスチック廃棄物を輸出していることがわかった。
今回のグリーンピース東南アジアの調査は、2018年から実施された中国での廃プラ輸入禁止措置、及びその後に続いたタイ、マレーシア、ベトナムでの同様の禁止措置の影響を分析するとともに、現在のプラスチック廃棄物貿易の現状を俯瞰的に整理した。
2018年1月から11月までの11ヶ月間で、プラスチック廃棄物輸出の上位5ヶ国は、米国(16.5%)、ドイツ(15.6%)、日本(15.3%)、英国(9.4%)、ベルギー(6.9%)。また輸入の上位5ヶ国は、マレーシア(15.7%)、タイ(8.1%)、ベトナム(7.6%)、香港(6.8%)、米国(6.1%)。中国は、従来圧倒的世界一の輸入国だったが、年初から輸入を禁止したことで、一気に輸入量が減った。また、上位3ヶ国のマレーシア、タイ、ベトナムも2019年4月までは輸入量が急増したが、政府が禁止措置を発動したことでその後、急落している。それに替わって伸びてきているのが、インドネシア、韓国、台湾、トルコ。
輸出国の状況では、東南アジアに輸出していた米国が、輸入禁止措置を受け、大きく輸出量が減少。その分、存在感が目立ってきたのが日本で、現在、マレーシア、台湾、タイ、ベトナム、韓国向けは日本が首位。またドイツはインドネシアへの、英国はトルコへの輸出量が急増している。
GAIAは、プラスチック廃棄物は「リサイクル」名目で貿易されているが、水質汚染、農作物生産低下、疾病等の原因となっていると発生国に削減を促した。
【参照ページ】New research exposes a crisis in the global trade of “recyclable” plastics
【レポート】COMMUNITIES ON THE FRONTLINES OF THE GLOBAL PLASTIC CRISIS
【データ】Data from the global plastics waste trade 2016-2018 and the offshore impact of China’s foreign waste import ban
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