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【国際】今後5年間で世界大手企業は気候変動により28兆円の資産損失が発生。CDP報告

 環境情報開示を推進する国際NGOのCDPは6月4日、世界大手企業215社が今後5年間で気候変動の影響を受ける資産が約1兆米ドル(約110兆円)あり、確率も加味するとそのうち2,500億米ドル(約27.5兆円)の資産が消失するとの最新レポートを発表した。2018年に「CDP気候変動」調査票で回答を寄せた世界6,937社のデータの中で、世界大手500社のうち実際に回答した215社のデータを基に算出した。

 CDPの2018年の調査票では、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)のフレームワークに則り、各社から自発的なテキストやデータでの報告を受けた。TCFDは「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4つの観点で情報開示することを提言しており、今回の回答では、気候変動対応を取締役会レベルでマネジメントしていると答えた企業は世界全体で78%あった。実施率トップは南アフリカの93%。欧州は87%、韓国は85%、日本は80%、米国は60%だった。

 シナリオ分析については、約半数の3,397社に回答を求めたところ、定量・定性の両面ですでに実施しているが22%、定性面のみで実施が14%あった。今後2年以内にシナリオ分析を実施する予定が34%と多く、一方2年以内に実施するつもりはないも23%あった。

 目標設定では、具体的な目標を定めていないところがどの業種でも半数近くを占める一方、目標設定をしている企業では原単位目標よりも総量目標を定めている企業が上回っていることががわかった。

 また2018年の調査票では、気候変動がもたらす財務インパクトについて、一つ以上のリスクを挙げた企業が2,185社、一つ以上の機会を挙げた企業が1,958社あった。世界大手500社に対しては、認識する潜在リスクについての損失額の算出も要請。結果215社が回答し、足し合わせると約1兆米ドルとなった。215社の時価総額の合計は約17兆米ドルで、時価総額の約5%から7%の損失リスクがあることがみえてきた。さらに、それぞれの潜在リスク額の発生確率について5年以内に「高い」「非常に高い」「ほぼ確実」の回答を示したものの合計は2,500億米ドルだった。

 一方、機会については、世界大手500社のうち225社が回答し、足し合わせると2.1兆米ドルの市場機会があるとの計算となった。多くの企業が、省エネ商品の需要増や消費者性向の変化を挙げた。

 業界別では、機会とリスクに対する想定額が最も大きかったのは金融セクター。一方、化石燃料セクターでは、再生可能エネルギー、水素、ガス、炭素回収・貯蔵(CCS)等で機会があるとした金額が、リスクを上回っていた。但し、気候変動による移行リスクについては、想定していない企業が多く、実際に化石燃料の需要減となれば、今回の報告以上にマイナスの影響を受けるとCDPは指摘している。

【参照ページ】World’s biggest companies face $1 trillion in climate change risks

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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