オランダ化学大手DSMは12月9日、同社の主力商品の一つで、世界で最も強力な繊維「ダイニーマ」のサステナビリティを高める戦略を発表した。ダイニーマは、超高分子ポリエチレン繊維でできており、医療用縫合糸、漁業・水産養殖用の網、ロープ、スリング、耐刃性手袋・衣料等の高機能素材、車両用及び人体衝撃防護材などにも使用されている。いわゆる強化プラスチックの一つ。
DSMの今回の戦略では、「栄養・安全性」「気候変動・エネルギー」「廃棄物・サーキュラーエコノミー」の3つの観点から、同社が自主的に掲げるサステナビリティ基準に適合できるものに変革していく。
まず2020年までに、ダイニーマの購入顧客、廃棄物加工業者、リサイクル企業と協働し、ダイニーマを用いた最終製品のリサイクルを実現するための企業連合を発足する。すでに2019年11月に同社が開催した「サーキュラリティ・サミット」では、主要パートナー企業とのコミュニケーションが開始された。とりわけ、漁網は海洋プラスチック汚染の主要な汚染物質とみなされており、漁網の回収・リサイクルは、プラスチック汚染防止のために重要なアクションとみられてきている。
次に2023年までに、ダイニーマを活用することにより、世界の作業員4,000万人を防災を実現する目標を設定した。ダイニーマは、高機能素材として使われており、作業員の労働安全衛生を高めることができる。DSMの算定では、すでに3,000万人の作業員をダイニーマが保護。今回、2023年までに4,000万人という人数目標設定を新たに行った。
そして、2030年までにダイニーマの原料の60%以上を植物由来原料に切り替える。原料は、バイオマス及びバイオエネルギー分野の国際認証「ISCC Plus」を取得するとし、川下メーカーが安心して使えるようにする。
【参照ページ】DSM sets ambitious targets for personal protection and sustainability of its Dyneema® high performance fibers
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