国際環境NGOや業界団体イニシアチブ8団体は7月21日、G20諸国の財相及び中央銀行総裁に対し、新型コロナウイルス・パンデミックからの経済復興の中に気候変動対策を盛り込む「グリーン・リカバリー」を要請する共同声明を発表した。
今回の共同声明に参画したのは、Ceres、WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)、BSR、CDP、The Climate Group(TCG)、We Mean Business、Bチーム、CLG Europeの8団体。
今回の共同声明では、世界で企業約1,200社が、政府にグリーン・リカバリーを求める声明を発表していることに言及。パンデミック苦境の中でも、900社以上は科学的根拠に基づく削減目標を定め、さらに多くの企業は自主的に削減目標を引き上げていることを引き合いに出し、政府も企業の努力や要請に応じるべきとの考えを示した。グリーンリカバリーは、雇用創出効果も高いことを伝えた。
政府に対しては、カーボンニュートラルを加速させることの政策目標の優先順位上げと予算配分、化石燃料への補助金のカット、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)ガイドラインに基づく情報開示の促進等を求めた。
また経済復興で政府から資金支援を受けた企業に対しては、1.5℃目標と整合性のある科学的根拠に基づく削減目標の策定、TCFD情報開示の実施、カーボンニュートラルに向かうソリューションへの投資を求めた。
またCeresは同日、米連邦準備制度、通貨監督庁、連邦預金保険公社、証券取引委員会(SEC)、商品先物取引委員会、連邦保険事務所、連邦住宅金融庁、金融安定監視委員会、各州の保険監督当局に対し、金融規制の中に気候変動の観点を統合することを求める共同書簡を送付した。カリフォルニア州教職員退職年金基金(CalSTRS)、カリフォルニア州財務長官室、ニューヨーク州財務長官室、ニューヨーク市財務長官室、アラベスク等が賛同した。賛同した機関投資家は40機関、運用資産総額は1兆米ドル(約110兆円)。
Ceresは7月16日にも、機関投資家や企業に対し、連邦政府へのロビー活動を実施するためのブループリントを発表。現在実施している政策エンゲージメントやロビー活動のインパクトを顧み、望ましい結果が出る報告へアクションを加速すべきと伝えた。
【参照ページ】Ceres joins We Mean Business coalition call for governments to pair economic recovery with ambitious climate action
【参照ページ】Letter
【参照ページ】Blueprint for Responsible Policy Engagement on Climate Change
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