IT世界大手米マイクロソフトは8月4日、自社事業、製品、包装・容器での二酸化炭素ネット排出量を2030年までにゼロ(カーボンニュートラル)にすると発表した。GAFAMでは、2019年9月にアマゾンが2040年までの自社事業のカーボンニュートラルを、7月にはアップルが2030年までにバリューチェーン全体でのカーボンニュートラルを宣言。マイクロソフトもカーボンニュートラルの達成年を早め2030年とした。
マイクロソフトの今回の発表では、自社事業所とデータセンターから排出されている埋立廃棄物および焼却廃棄物の90%以上を削減し、建材廃棄物の75%も削減する。また自社製品「Surface」を100%リサイクル可能な素材で生産し、同様に経済協力開発機構(OECD)の加盟国では包装・容器を100%リサイクルな素材に切り替える。今回は廃棄物に着目した施策を多数発表したが、アップルが100%再生素材(Recycled)での生産に言及したのに対し、マイクロソフトはリサイクル可能(Recycable)な素材への切替だった。
【参考】【アメリカ】アマゾン、2040年までのCO2ゼロ誓約イニシアチブ「Climate Pledge」発足。自ら第1号署名(2019年9月25日)
【参考】【国際】アップル、2030年までにバリューチェーン全体でカーボンニュートラル達成と宣言(2020年7月22日)
具体的な廃棄物削減アクションとしては、まず現状寿命が5年ほどのサーバーからの電子廃棄物を削減するため、「マイクロソフト・サーキュラー・センター」を立ち上げ、廃棄サーバーの用途転換再利用(Repurpose)やリサイクルを実施する。同センターは、同社の大型の新設データセンターに設置し、将来的には既存のデータセンターにも設置する。サーキュラー・センターでは、機械学習の人工知能(AI)も活用する
データセンター内にサーキュラー・センターを置く意義については、輸送を減らした二酸化炭素排出量とコスト削減と説明。分解されたパーツは、自社で再利用したり、メーカーに販売する。2025年までにサーバーや部品の再利用・リサイクル率を90%以上に高める。
またデータセンターでは、包装や梱包用のフィルムや容器等でプラスチック廃棄物が大量に出ていることも問題視。今後、建材廃棄物も含めた形で、データセンターでの廃棄物の実態を測定し可視化するプロジェクトを開始する。
サーキュラーエコノミー化を推進するファンドClosed Loop Fund(CLF)にも3,000万米ドルを投資する。
【参考】【アメリカ】インパクト投資ファンドCLF、コネティカット州とリサイクル推進で連携。5億円投資(2018年3月31日)
同社は2019年から、H&M、ターゲット、フィリップス・バン・ヒューゼン(PVH)等と連携し、アパレルでのサーキュラーエコノミー化を実現するために、同社のクラウド型AIツール「Azure」を活用したトレーサビリティシステム「サーキュラーID」の実現を模索している。
【参照ページ】Microsoft commits to achieve ‘zero waste’ goals by 2030
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