英環境・食糧・農村地域省は8月25日、英国で事業活動を行う大企業に対し、森林破壊を伴って生産された作物を使うことを禁止する法律の制定を目指すと発表した。10月2日までパブリックコメントを募集し、年内にコメントを踏まえた上での最終方針を発表する予定。
英国では、2015年に現代奴隷法が制定され、サプライチェーン上での人権侵害リスクに対するデューデリジェンスの実施が大企業には義務付けられている。今回の法案は、同様にサプライチェーン上での森林破壊リスクに対するデューデリジェンスの実施を義務化するというもの。制定されると世界初。法案の詳細は未定だが、食品・消費財メーカーや小売企業には大きな影響を与えるとみられる。
農業の分野では、世界的に農地開拓のために森林伐採を行うことが多く、世界の森林破壊の80%は農業が原因。今回の英国政府の発表でも、カカオ、ゴム、大豆、パーム油を具体的に例示。現地の法令を遵守した上で、デューデリジェンスの実施と情報開示を義務付ける。違反者には罰金も科す方針。
同省は、森林破壊の阻止が必要な理由として、異常気象、生物多様性喪失、感染症蔓延の3つを上げた。英国政府は2021年の第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)の議長国も務める。英政府は最近、同国の発展途上国向けの基金「国際気候ファイナンス」に2021年から2025年までに116億ポンド(約1.6兆円)拠出することも表明し、さらに南米アマゾンでの森林保全・再生のために別途1,600万ポンド(約23億円)拠出することも宣言している。
【参照ページ】World-leading new law to protect rainforests and clean up supply chains
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