【国際】コロナ禍CO2減でも2100年に3.2℃上昇。グリーンリカバリー重要。UNEP2020年排出ギャップ報告書 2020/12/10 最新ニュース

【国際】コロナ禍CO2減でも2100年に3.2℃上昇。グリーンリカバリー重要。UNEP2020年排出ギャップ報告書 1

 国連環境計画(UNEP)は12月9日、二酸化炭素排出量の削減目標と現状のギャップを示す「排出ギャップ報告書(Emissions Gap Report)」の2020年版を発表した。UNEPは毎年同報告書を発表しており今回で11年目。今年の報告書では、新型コロナウイルス・パンデミックにより二酸化炭素排出量は減少したが、依然として気温は2100年に3.2℃上昇するペースで進んでいると危機感を顕にした。

 同報告書によると、2019年の二酸化炭素排出量は、土地利用変化(LUC)分も含めて、59.1Gtで過去最多。2010年からの増加率は年率1.4%で増えており、2019年には大規模な森林火災が相次ぎ、増加率が2.6%にまで上がってしまった。一方、2020年は、パンデミックにより経済活動が減衰した結果、前年比7%減となる見通しだが、2050年までの温暖化に及ぼすインパクトとしてはわずか0.01%の上昇抑制にしかならず、減少トレンドを恒久的なものにしていく必要があると伝えた。

 UNEPは今回、パンデミックからの経済復興で気候変動を考慮する「グリーンリカバリー」を強く提言。発表されている各国のグリーンリカバリー政策を考慮すると、2030年の二酸化炭素排出量は以前の予想値59Gtから44Gtにまで25%削減できると強調した。これらを実行に移せば、2100年に気温上昇を2℃未満に抑えられる可能性が66%見えてくる。だが1.5℃に抑えるまでには至らず、さらなるアクションが必要。一方59Gtのペースで進めば、気温は2100年までに3.2℃上昇してしまう。

 UNEPは、2021年11月の第26回国連気候変動枠組条約グラスゴー締約国会議(COP26)までに各国政府は気候変動緩和への誓約を強化する必要があると言及。特に、ゼロ・エミッション技術やインフラへの直接的な財政出動、化石燃料への補助金削減、石炭火力発電所新設の禁止、大規模森林再生等の自然活用がソリューションの促進を挙げた。またグリーリカバリーへの政府予算額については、現状では極めて不十分と警鐘。G20諸国のうち25%の政府は、GDPの3%まで予算額を引き上げていることを伝え、他国もそれに倣うよう促した。

 すでに政府がカーボンニュートラルを宣言した国は126ヶ国。世界のGDPでは51%をカバーしている。だが、宣言よりもアクションが重要とし、速やかに実行に移すことが必須とした。

 同報告書は、毎年テーマを絞った特集も組んでいるが、今回は、消費者行動、海運、航空の3テーマを取り上げた。消費者行動では、特に富裕層こそがカーボンフットプリントを下げる責任があるとした。特に、短距離の航空移動を鉄道移動に切り替えるとともに、自転車移動、カーシェアリング、住宅の省エネ、食品廃棄物の削減等を実行するよう求めた。

 また海運と航空に対しては、原単位での二酸化炭素排出量を削減したとしても全体の需要が増加することに鑑み、急速に脱化石燃料を進めることが必要と断じた。

【参照ページ】Green pandemic recovery essential to close climate action gap – UN report
【レポート】Emissions Gap Report 2020

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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