国際資本市場協会(ICMA)は12月9日、「クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック」を発行。サステナブルボンド(ESG債)発行で、トランジションを資金使途インパクトとする場合の追加の開示項目を提示した。ICMAのクライメート・トランジション・ワーキンググループが策定作業を行っていた。
今回のハンドブックは、ICMAのグリーンボンド原則(GBP)、ソーシャルボンド原則(SBP)、サステナビリティボンド・ガイドライン(SBL)、サステナビリティ・リンク・ボンド原則(SLBP)の補足ガイドラインの扱い。発行体が対外的に開示すべき内容をまとめた形。
同ハンドブックが提示している開示推奨内容は、「発行体の気候変動転換戦略・ガバナンス」「ビジネスモデルに関する環境マテリアリティ」「科学的根拠に基づく転換目標と道筋」「実行の透明性」の4つ。これらを発行時の投資家向け説明資料、アニュアルレポート、発行フレームワーク等の投資家が自由にアクセスできるチャネルで開示すべきとした。
これにより、トランジションに関する内容を資金使途とする場合は、調達資金の使途に関する透明性だけでなく、発行体全体のトランジションに関する内容を説明しなければならないと位置づけられた。同ハンドブックは、任意の位置づけだが、デファクトスタンダードとなる可能性が高い。
【参照ページ】Green & Social Bond Principles launch new guidelines on climate transition finance
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