国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)の持続可能な保険原則(PSI)は1月19日、保険会社向けの気候変動が事業に与えるインパクトの情報開示に関する初の包括的ガイダンスを発行した。損害保険会社にとっての損害保険引受事業での気候関連情報開示タスクフォース(TCFD)ガイドライン情報開示の在り方をまとめた。
同ガイダンスを作成したのは、PSIが2018年11月に発足したTCFD保険パイロットグループ。加盟企業は、アクサ、アリアンツ、AVIVA、チューリッヒ保険、ストアブランド、スイス再保険、ミュンヘン再保険、ゼネラリ保険、QBE保険、NN、TD保険、カナダ保険協同組合、ロイズ・バンキング・グループ、デジャルダン・グループ、MAPFRE、Länsförsäkringar Sak、IAG、Intact、ICEA LION、東京海上ホールディングス、MS&ADインシュアランスグループホールディングス、損害保険ジャパンの22社。
【参考】【国際】UNEP FI、TCFD保険グループ結成。気候リスク分析ツール開発。日本の損保大手3社も参加(2018年11月15日)
同ガイダンスは、損害保険業界が業界共通での開示フレームワークを示すことを目的に設定。特に気候変動の物理的リスクを大きく背負う損害保険引受事業にとって、認識の共通化、将来リスクの想定手法、情報開示項目の共通化等が重視された。また、損害保険企業にとって、投資運用事業も重要であり、引受と運用は一体的に考えるべきものとしつつも、作業を早く進めるため、今回は損害保険引受にテーマを絞った。
特に、リスクとして、物理的リスクでは気象パターン、気温、水文学の変化に関するリスク、移行リスクではエネルギー・食料・輸送等の分野がカーボンニュートラルに向かう場合のリスク、気候変動に関連し事業や経営として違法行為を犯し訴訟されるリスクの3つについての分析と情報開示の在り方を提示している。
【参照ページ】FIRST GUIDANCE ENABLING INSURERS TO IDENTIFY AND DISCLOSE RISKS FROM CLIMATE CHANGE LAUNCHES
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