国連食糧農業機関(FAO)は5月7日、過去2年をかけて検討してきた2025年までの「FAO栄養戦略」がFAO理事会で採択されたと発表した。国連持続可能な開発目標(SDGs)で複数の分野に影響を与える「栄養」政策での方針が固まった。
栄養政策に関しては、国連の世界食料安全保障委員会(CFS)に設置された「食料安全保障と栄養に関するハイレベル専門家パネル」が2017年、農業・食料システムの変化が栄養に影響を与える経路を整理したマップを作成。各々ファクターの状況を見ていくことで栄養問題に対峙できることがわかっている。
一方、今回のFAO栄養戦略で現状課題を克服するために設定された領域は全部で5つ。主な内容は、
- データ:人々の常食に関するデータの収集。ステークホルダーに対する栄養データ収集のためのガイダンス発行
- 証拠:政策が栄養に与える科学的証拠の収集。栄養と社会・経済・環境とのトレードオフに関する証拠の収集
- 政策協調と集団的アクション:実現すべきゴールをステークホルダーで共有。企業と金融機関にイノベーション促進のエンゲージメント
- キャパシティ:南南・三角協力での政策・技術支援、デジタル化・イノベーション等の研修材料提供、NGO、研究機関、大学等の能力強化
- アドボカシー&コミットメント:食料システム・栄養に関する自主的ガイドライン(VGFSyN)の支援、FAOでの栄養テーマの優先化
【参考】【国際】国連世界食料安全保障委員会、食料システム・栄養に関する自主的ガイドラインを採択(2021年3月3日)
またFAOは今回、自らの測定指標として、20指標を設定。多くが、今回定めた戦略を各国がどの程度遵守できているかを評価するものとなっている。さらに実行計画においては8つのKPIを設定。2023年と2025年目標を定め、進捗状況をチェックしていくことを決めた。
【参照ページ】FAO will implement a new Nutrition Strategy to ensure healthy diets for all
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