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【イギリス】政府、脱炭素で1.5兆円の海外投資招致に成功。案件を積極開示し、さらに投資呼び込み

 英ボリス・ジョンソン首相は10月19日、ロンドンで開催された世界投資サミットで、英政府が発表したカーボンニュートラル重点施策分野で、18件の貿易・投資案件が成立し、合計97億ポンド(約1.5兆円)の海外投資を招致することに成功したと発表した。雇用創出効果は3万人とした。

 具体的な案件としては、まず、イベルドローラは、スコティッシュ・パワーを通じて60億ポンドをイースト・アングリア・ハブ洋上風力発電所に投資。7,000人の雇用を創出する予定。Global Marineは、1,000万ポンドを投じ、洋上風力発電のインフラを整備するためのハイブリッドエンジン搭載の乗組員移送船とサーフェイス・エフェクト・シップを建造。イースト・オブ・イングランドで10名の雇用を創出する。

 プロロジスは、今後3年間で15億ポンドを英国に投資し、カーボンニュートラル型の倉庫を開発。ロンドン、南東部、ミッドランドで約14,000人の新規雇用を創出する。Getirは、100%電気自動車(EV)を使用した食料品配送サービスを英国内で急速に拡大するために1億ポンドを投資し、2022年には7,000人の正規雇用を創出する計画。

 マレーシアのコングロマリットであるPetra Groupは、3,000万ポンドを投じて、持続可能なモジュラーハウスを生産するPetra Modular事業を英国で設立し、225名の雇用を創出します。また、ペトラ・グループの「グリーン・ラバー」事業を英国で立ち上げるために3,000万ポンドを投資し、110人の雇用を創出する生産施設を開発する予定である。

 Ultimate Battery Companyは2800万ポンドを投じ、バッテリーの製造工場を英国に設立。300人の雇用を創出。HyPointは660万ポンドを投じて南東部に本社を設立し、次世代水素燃料電池システムの開発を進め、10名の雇用を創出する。Tes Ammは、スコットランドで15名の新規雇用を創出し、EV、家電、IT・モバイル技術から発生するリチウムイオン電池の電子廃棄物リサイクル能力を2倍に増やす。Huanengは、ストーンスティルで50MWバッテリーストレージプロジェクトに投資する。

 米KKRが所有するビリドールは、英国内の5拠点で、最先端の脱炭素技術に最大10億ポンドを投資し、1,180人の雇用を創出する。今回の投資により、同社の英国事業所での化石燃料排出量は最大90%削減できる見込み。トルコのコングロマリット、エレン・ホールディング傘下のエレン・ペーパーは、5億ポンドを投じ、北ウェールズ・ショトンにある工場を買収。紙屑を原料とした段ボール生産を開始する。燃料はバイオマス燃料を活用。約300人の新規雇用を見込む。HiPointは、5,000万ポンドを投じ、馬の排泄物を回収し、再利用可能な肥料やバイオ燃料に加工する施設を5つ新設し、英国内で90名の雇用を創出する。

 ABインベブ傘下の英法人Budweiser Brewing Groupと、英グリーン水素大手Protiumは、英国最大級の醸造所である南ウェールズのマゴール醸造所にグリーン水素を共同で導入。1億ポンド以上を投じて水素生成システムを構築し、同醸造所の生産活動に加え、大型貨物車やフォークリフトなどの主要な物流資産にも燃料を供給する。

 Zopaは、英国での責任ある持続可能な銀行・融資サービスを拡大するため、ソフトバンク・ビジョン・ファンドを中心に2億2,000万ポンドを調達。Crowdzは、500万ポンドを投じ、ブロックチェーン技術をベースにしたESGプラットフォームを開発。ロンドンで7名の雇用を創出する。Treedomは、オンラインの植林プラットフォーム事業でロンドンにオフィスを設立し、10名の雇用を創出する。

 ジョンソン首相が2020年10月に、「10ポイント・プラン」を発表して以降、すでに58億ポンドの投資が決定しており、さらに今回、97億ポンドの投資があったことを明らかにした形。

【参考】【イギリス】首相、2030年ガソリン・ディーゼル新車販売禁止方針表明。脱炭素に向け10重点施策も発表(2020年11月19日)

 英政府は、補助金でではなく、必要なイノベーション案件を積極的に開示することで、むしろ民間資金を呼び込もうとしている。今回同時に、国際貿易省は新たに、オンラインプラットフォーム「インベストメント・アトラス」を開設。53件の案件を掲載した。

【参照ページ】Investors pledge almost £10bn at UK Global Investment Summit

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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