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【日本】商船三井、浮体式洋上風力に参入。高効率メタノール船、アンモニア船、水素船も続々

 商船三井は12月3日、英スコットランドのフローテーションエナジーとの間で、日本での浮体式洋上風力発電事業開発でパートナーシップを締結することで合意した。フローテーションエナジーは、浮体式洋上浮力発電の開発で英国で実績があり、世界最大のスコットランドのキンカーディン洋上風力発電プロジェクトも手掛けた。

 フローテーションエナジーは、着床式の洋上風力発電分野でも事業展開しており、英国で洋上風力開発用地の第4回入札において480MWのモーカム着床式洋上風力発電事業の優先交渉権を獲得。また英国南西沖でも、100MWの実証実験プロジェクトの開発権を取得している。日本でも新潟県に現地法人を設立し、2GWの洋上風力発電事業を計画している。

 同社は11月には、アンモニアを主燃料とした船舶用主機関を搭載した大型のアンモニア輸送船の共同開発を、名村造船所及び三菱造船と発表している。水素エンジンでは、商船三井、商船三井ドライバルク、ジャパンエンジンコーポレーションの3社で11月、ジャパンエンジンが世界に先駆けて開発する舶用低速2ストローク水素燃料エンジンを、商船三井及び商船三井ドライバルクが運航する船舶に搭載し、実船での実証運航に向けて協力を行う基本合意を発表している。

 同じく11月には、現代尾浦造船に発注していたメタノールと重油の2元燃料に対応可能なメタノール専用船が竣工した。同社は2016年からメタノール2元燃料船を複数保有。メタノール2元燃料船は、従来の舶用燃料を燃焼した場合に比べ、メタノール燃焼時の硫黄酸化物(SOx)排出量を最大99%、PM排出量を最大95%、窒素化合物(NOx)排出量を最大80%、二酸化炭素排出量を最大15%削減することが可能な上、今回開発した船舶は、メタノール燃料に水を混ぜて燃焼温度を調整する新技術を採用し、国際海事機関(IMO)のNOx3次規制を脱硝装置なしでも満たす事ができる日本海運初の最新型低エミッション船となった。

 他にも同社は11月、三菱造船と協働し、液化CO2輸送船のコンセプトスタディを完了。今後、難易度の高い大型LCO2船の実現化や、バラエティのある船型の検討に引続き取り組むとした。同社は3月に産業用液化CO2輸送船を30年以上管理しているノルウェーのラルビック・シッピングに出資し、液化CO2海上輸送事業に参画していた。

 12月に入ってからは、商船三井、大内海洋コンサルタント、国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所海上技術安全研究所、スマートデザイン、東京大学大学院新領域創成科学研究科、西日本流体技研、一般財団法人日本海事協会、みらいえね企画の合同プロジェクトは、過去1年間をかけて開発してきた風力と水素を活用したゼロエミッション事業「ウインドハンタープロジェクト」の実証実験に成功。佐世保でヨット「ウインズ丸」を用い、強風時に風力で航行するとともに風力を使用して水中タービンで発電し、水素を船内生産・貯蔵しつつ、弱風時は貯蔵した水素を使用し燃料電池で発電、プロペラで推進する仕組みを実現させた。

 加えて、商船三井と滋賀県長浜市のノベルジェンが代表を務め、日本財団が推進する海ごみ解決を目指す「プロジェクト・イッカク」に参画する異分野融合チーム「エコトリニティ」は11月、商船三井の運航船に搭載した回収装置で採取したマイクロプラスチックと微細藻類等から炭化物を製造し、エネルギーを得ることにも成功している。

【参照ページ】商船三井と Flotation Energy が浮体式洋上風力発電事業開発の協業に合意
【参照ページ】アンモニアを燃料とした「大型アンモニア輸送船」の開発に着手
【参照ページ】邦船社初 最新型の環境に配慮したメタノール燃料船が竣工 ~”Capilano Sun“はメタノール燃料に水を混ぜることで燃焼温度を調整して窒素酸化物の排出を抑制する~
【参照ページ】液化CO2輸送船のコンセプトスタディを完了
【参照ページ】舶用水素燃料エンジンを搭載した実船での実証運航に関する基本合意
【参照ページ】風と水素で走る究極のゼロエミッション船「ウインドハンタープロジェクト」佐世保でのヨット“ウインズ丸”による実証実験に成功
【参照ページ】海から回収したマイクロプラスチックをエネルギーへ転換することに成功

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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