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【日本】金融庁、「金融機関における気候変動への対応についての基本的な考え方」案を発表。

 金融庁は4月25日、金融機関に対し取引顧客の気候変動リスクを率先して進めることを促す「金融機関における気候変動への対応についての基本的な考え方」の案を発表した。5月26日までパブリックコメントを募集する。

 今回の文書は、金融庁が2018年に策定した「検査・監督基本方針」踏まえ、分野別の考え方と進め方として、金融機関の気候変動への対応についての金融庁の基本的な考え方を整理したもの。「各金融機関におけるよりよい実務の構築に向けた金融庁と金融機関の対話の材料であり、金融機関に対し一律の対応を義務付ける性質のものではない」としているが、一定の影響力を持つ可能性が高い。同文書は、パブリックコメント後に最終確定する。

 同文書では、「顧客企業にとっての機会は、金融機関にとっても機会となる。例えば、顧客企業が気候変動に関連した新たな市場や取引先の開拓等を進める場合に、当該顧客企業との取引拡大等を通じて、金融機関自身の収益獲得にもつながり得る」と言及。

 また、「他方、顧客企業にとってのリスクは、金融機関にとってもリスクとなる。カーボンニュートラルへの移行に伴う規制や技術、市場環境等の変化による事業への影響(移行リスク)や、自然災害の激甚化や気温・降水変化等による事業への影響(物理的リスク)により、企業の事業価値の毀損等が生じる場合には、当該企業への投融資や取引を通じて、金融機関の事業にも影響を与えることになる」と表現した。

 それを受け、「金融機関が顧客企業の気候変動対応の支援を通じて、顧客企業の機会の獲得を後押しすることや、顧客企業の気候関連リスク(移行リスク及び物理的リスク)を低減させることは、金融機関自身にとっても機会の獲得と気候関連リスクの低減につながり得る」とし、顧客企業への積極的なエンゲージメントを促した。
 
 金融機関に期待する具体的な内部アクションとしては、「気候変動対応に係る戦略の策定・ガバナンスの構築」「気候変動が顧客企業や自らの経営にもたらす機会及びリスクのフォワードルッキングな認識・評価」「トランジションを含む顧客企業の気候変動対応の支援」「気候変動に関連するリスクへの対応」「開示等を通じたステークホルダーへの情報の提供」等。こうして金融機関内部での態勢を整備した上で、顧客企業への成長資金の提供、コンサルティング、ビジネスマッチング等を促した。

【参照ページ】「金融機関における気候変動への対応についての基本的な考え方」(案)への意見募集(5月26日まで)について

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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