世界経済フォーラム(WEF)は5月23日、2022年の年次総会(ダボス会議)の場で、アフリカでの通関及び税関のデジタル化をすすめることで、アフリカ大陸全体で年間200億米ドル(約2.6兆円)の貿易収支をもたらす可能性があるとするレポートを発行した。
同レポートは、デロイトとの共同製作。2021年に運用が開始されたアフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)に関するセッションの中で、発表された。AfCFTAは、運用開始時期が来ても、詳細が詰まっておらず、政府間での必要議論が多く残されている。
同レポートのポイントは、非効率な通関及び税関のデジタル化がもたらすインパクトの大きさを伝えた点。AfCFTAで関税撤廃で達成できるのはおおよそ36億米ドルの貿易収支なのに対し、デジタル化による非関税障壁の低減では200億米ドルもの貿易収支をもたらすと試算した。
また社会的インパクトとしても、AfCFTAは、アフリカ域内貿易を現在の18%から2030年までに50%にまで増やす可能性があり、大幅なデジタル化をすすめることで、3,000万人を極度の貧困から救う可能性もあるとした。
また同報告書では、物流パフォーマンス・インデックスからの洞察に加え、ガーナ、ケニア、ウガンダ等でのデジタル改革の定量的価値を実証するケーススタディからも主要な知見を紹介。またデジタル改革には、官民パートナーシップが重要と提唱している。
具体策としては、電子署名やドローンによる貨物監視等の立法的支援と承認、行政機関のデジタル改革、デジタル化をアフリカの競争力強化につなげるための需要主導型の介入に基づく行動、サービス仲介者のスキル開発、AfCFTA加盟国間の連携等を提言した。
【参照ページ】Growing Intra-Africa Trade through Digital Transformation of Customs and Borders
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