スポーツアパレル大手スイスOnは9月15日、二酸化炭素由来原料から生産した初のシューズ製品「Cloudprime」を発表した。米カーボンリサイクルLanzaTech、オーストリア化学ボレアリス、仏エンジニアリングTechnip Energiesの3社と協働した。
靴業界の中で、回収した二酸化炭素を製品原料として活用するのはOnが世界初。4社は今回、二酸化炭素を原料とする新たなフォーム素材「CleanCloud」を開発。開発には5年を要した。同社は、靴のミッドソール、特にEVA(エチレンビニルアセテート)フォームの主原料として二酸化炭素を活用する。将来的には、靴の他パーツや他製品への使用拡大も見込む。
CleanCloudの生産では、LanzaTechが、製鉄所等で排出される一酸化炭素を大気中への放出前に回収。同社が特許を取得しているバクテリアを活用した発酵プロセスで、一酸化炭素をエタノールに変換する。生成したエタノールは、Technip Energiesが脱水し、プラスチックの重要な構成要素であるエチレンガスへ変換。その後、ボレアリスが重合し、EVA(エチレンビニルアセテート)を生成した上で、固形の小さなプラスチックペレットを製造する。
Onはその他、プラスチックリサイクル・スタートアップ米Novoloopと協働し、消費者から回収したプラスチック廃棄物のケミカルリサイクルも実施。世界初の再生ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)を使用したCleanCloudアウトソールを開発している。
同アウトソールは、研究所とアスリートの厳格な検査を受け、化石燃料由来TPU同等の品質との証明を獲得。製品での二酸化炭素排出量の大幅な削減を実現した。アッパーでは、仏スタートアップFairbricsと協働し、二酸化炭素由来のポリエステル生地を活用している。
【参照ページ】On presents the first ever shoe made from carbon emissions in partnership with LanzaTech, Borealis and Technip Energies
【画像】On
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