国際オリンピック委員会(IOC)と国連人間居住計画(UN-Habitat)は9月21日、都市部でのウェルビーイングを含めた持続可能な開発をするための新たなパートナーシップを発表した。12月12日には、2032年夏季オリンピック・パラリンピックの開催地となる豪ブリスベン市も同イニシアチブに加盟した。
国連の推計では、2050年までに世界人口の約70%(現在は約55%)が都市部に住むようになると予測されている。同パートナーシップは、都市部での生活の質を向上するとともに、国連持続可能な開発目標(SDGs)の達成への実現者(イネーブラー)としてのスポーツの役割を強化していく。
今回の提携の背景は、両者各々での組織プロジェクトがある。IOCは「オリンピック・アジェンダ2020」及び「オリンピック・アジェンダ2020+5」に基づく改革を進めており、その一環として持続可能な開発のためのスポーツの役割強化に焦点を当てた「Olympism365戦略」を展開している。
同時にUN-HABITATは「SDGシティ」イニシアチブを展開しており、データとエビデンスに基づく計画立案、キャパシティビルディング、プロジェクトファイナンス、認証棟の支援を提供することで、2030年までに1,000都市で10億人の生活に影響を与えることを目指している。スポーツのイネーブラーとしての役割に着目した。
今回のパートナーシップでは、双方からの資金拠出を受け、具体的に4つの作業を進めることとなった。まず、スポーツ及び身体運動を都市計画づくりに組み込むことで、活動的なライフスタイルを奨励し、多くの地域社会がスポーツの恩恵を受けられるようにする。次に、都市部のスポーツインフラの改修やプログラムに、シード資金やファイナンスを投じ、対象となるコミュニティにおけるスポーツへのアクセスとスポーツの恩恵への参加を促進する。
3つ目は、関係者のキャパシティビルディング支援。地方自治体当局、国内オリンピック委員会(NOC)、スポーツ団体が、都市部の持続可能な発展におけるスポーツの役割を理解した活動を展開できるよう支援していく。4つ目は、具体的に、都市開発政策や資源配分にスポーツを組み込むためのガイドラインを作成する。
同パートナーシップでは、アフリカ、中南米、アジア太平洋の5都市で、当初3年間の予定でプログラムを実施。最初の都市としてブリスベン市が選ばれた形となった。
【参照ページ】UN-Habitat and the Olympic movement getting sporty in cities
【参照ページ】City of Brisbane to join IOC and UN-Habitat sport and urban development initiative
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