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【日本】内閣官房、「アセットオーナー・プリンシプル」策定。自主受入れ表明要請

 内閣官房新しい資本主義実現本部事務局は8月28日、アセットオーナー向けの行動規範「アセットオーナー・プリンシプル」を策定した。自主的な受入れ表明を求め、受入れ機関リストを公表していく。

 同事務局は2023年12月、「資産運用立国の実現に向けた政策プラン」を策定。アセットオーナー改革の一環として、「アセットオーナー・プリンシプル」を策定することを掲げ、資産運用の高度化を進めるとしていた。

【参考】【日本】金融庁、NISAで2027年末までに買付総額56兆円目標。企業社内での金融教育強化も(2024年2月20日) 【参考】【日本】主要公的年金、PRI署名を2024年中に完了へ。アセットオーナー・プリンシプル策定も(2024年6月30日) 【参考】【日本】PRI、「アセットオーナー・プリンシプル」案にシステミックリスク考慮を提言(2024年8月6日)

 今回のアセットオーナー・プリンシプルは、自身が資産運用を行うアセットオーナーのみに適用され、公的年金基金、共済組合、企業年金基金、保険会社、大学ファンド等が該当している。年金基金の場合は、確定給付(DB)型年金が対象で、確定拠出(DC)型年金は対象にならない。

 同原則は、「コンプライ・オア・エクスプレイン」型となっており、原則は5つの原則と、それを支える補助原則で構成されている。

  1. アセットオーナーは、受益者等の最善の利益を勘案し、何のために運用を行うのかという運用目的を定め、適切な手続に基づく意思決定の下、経済・金融環境等を踏まえつつ、運用目的に合った運用目標及び運用方針を定めるべきである。また、これらは状況変化に応じて適切に見直すべきである。
  2. 受益者等の最善の利益を追求する上では、アセットオーナーにおいて専門的知見に基づいて行動することが求められる。そこで、アセットオーナーは、原則1の運用目標・運用方針に照らして必要な人材確保などの体制整備を行い、その体制を適切に機能させるとともに、知見の補充・充実のために必要な場合には、外部知見の活用や外部委託を検討すべきである。
  3. アセットオーナーは、運用目標の実現のため、運用方針に基づき、自己又は第三者ではなく受益者等の利益の観点から運用方法の選択を適切に行うほか、投資先の分散をはじめとするリスク管理を適切に行うべきである。特に、運用を金融機関等に委託する場合は、利益相反を適切に管理しつつ最適な運用委託先を選定するとともに、定期的な見直しを行うべきである。
  4. アセットオーナーは、ステークホルダーへの説明責任を果たすため、運用状況についての情報提供(「見える化」)を行い、ステークホルダーとの対話に役立てるべきである。
  5. アセットオーナーは、受益者等のために運用目標の実現を図るに当たり、自ら又は運用委託先の行動を通じてスチュワードシップ活動を実施するなど、投資先企業の持続的成長に資するよう必要な工夫をすべきである。

 同原則は、6月3日に原案が示され、パブリックコメントを募集。48団体・個人から意見場寄せられたが、修正することなく、最終確定した。国連責任投資原則(PRI)は、システミックリスクを考慮すべきとの意見も送付していたが、「貴重なご意見として承ります」との回答のみだった。

 内閣官房は、受入れ機関リストを月1回程度更新することを予定している。初回の公表は、12月末までの受入れ表明機関を2025年1月初めに公表する予定。公的年金基金を中心に、受入れ表明は増えると見られる。一方、同原則の内容は、非常に抽象的な内容が多く、現状を変革するインパクトの実効性をどこまで確保できるかに課題が残る。   【参照ページ】アセットオーナー・プリンシプルの受入れを表明したアセットオーナーのリストの公表について

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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