金融庁は2月13日、「国民の安定的な資産形成の支援に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針」の案を公表した。2月20日までパブリックコメントを募集する。最終的に閣議決定する。
同方針では、国民の安定的な資産形成は「個々人の幸福や厚生を実現するために不可欠」と認識。そのために国民だけでなく、インベストメントチェーンの各主体が十分にその機能を発揮する必要がるとした。また、国民の安定的な資産形成を支援することが、「成長と分配の好循環」や、公正で持続可能な社会の実現にも資すると表現した。
具体策では、NISAでは2027年末時点で口座数3,400万を目標とし、買付総額56兆円を目指す。iDeCoでは拠出限度額の引上げ、加入可能年齢の引上げ等を検討していく。改正金融商品取引法に基づき、金融経済教育推進機構の設立も決まっている。2月5日には、金融広報中央委員会、全国銀行協会、日本証券業協会が同機構の発起人となることも発表されている。同機構が、顧客の立場に立ったアドバイザーを見える化・支援していく。
金融経済教育では、令和2028年年度末を目途に「金融経済教育を受けたと認識している人の割合」を米国並みの20%となることを目指す。学校現場を支援するため、学校や教員研修等への講師派遣や教材提供等も展開する。
機関投資家側では、アセットオーナーの運用・ガバナンス・リスク管理に係る共通原則として「アセットオーナー・プリンシプル」を策定していく考え。運用会社では、顧客の最善の利益を勘案した運営体制やガバナンス体制の構築等を促進していく。
今回の方針には、地方公共団体や企業の役割も位置づけられた。地方公共団体は、地域特性に応じた手法や内容を展開することが役割として設定される。企業には、安定定期な資産形成は、従業員エンゲージメントの向上に効果的かつ人的資本の戦略上も重要であるとし、国が中小企業等を支援していく。
【参照ページ】「国民の安定的な資産形成の支援に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針(案)」の公表について
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