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【国際】SBTi、金融機関版ネットゼロ・スタンダード初版発行。化石燃料に厳格基準

 科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)は7月22日、金融機関版ネットゼロ・スタンダードの初版を発行した。すでに発行されている短期目標設定ガイダンスと合わせ、金融機関版の短期と長期の目標設定基準がついに完成した。

【参考】【国際】SBTi、金融機関向けネットゼロ・スタンダード策定で、パイロットテスト参加期間募集(2024年7月11日)

 金融機関版ネットゼロ・スタンダードは、銀行、アセットオーナー、運用会社、プライベートエクイティ、損害保険、投資銀行・証券会社等をカバー。スコープ3カテゴリー15(ファイナンスド・エミッション)での科学的根拠に基づく削減目標を策定するために開発された。当該金融事業が売上の5%から95%を占める企業は、企業版の基準(スコープ3カテゴリー15を除く)とともに、金融機関版の基準活用が必須となる。一方、売上の95%以上を占める企業も、金融機関版と企業版の双方の活用が必須となるが、企業版はスコープ1と2の目標設定のみでよくなる。

 目標設定の基準については、企業版ネットゼロ・スタンダードやセクター別基準と整合。ファイナンスド・エミッションの算定では、ファイナンス先のスコープ1と2が対象となるが、自動車、石炭、石油・ガス、不動産の各セクターに関してはスコープ3まで含めることを必須とした。

 また排出量の高いセクターへの金融エクスポージャーを把握するため、化石燃料セクターを「セグメントA」、輸送、鉄鋼、セメント、発電、不動産、森林・土地・農業(FLAG)を「セグメントB」、その他を「セグメントC」とし、高排出セクターのサブセットを「セグメントD」とし、各々について算定する指標も設定された。

 一方、実際の目標設定については大きな柔軟性が確保された。具体的には、各セクターでのファイナンスド・エミッションを1.5℃目標と整合する形で削減していく「セクター目標」と、科学的根拠に基づく削減目標を設定したファイナンス先企業の割合を高めていく「ポートフォリオ気候整合性目標」の2つが用意され、可能な限り双方の目標設定が推奨されているが、いずれかでも可となった。SBTiはこの柔軟性を「エンゲージメント重視アプローチ」と呼んでいる。

 「ポートフォリオ気候整合性目標」については、各セグメントで算定した指標をKPIとし、2050年までに95%以上にしなければならない。「セクター目標」では、金融機関自身がカーボンオフセットを行うことで達成することが認められ、カーボンオフセット活用の上限も設けられていない。

 但し、特定のセクターについては、厳しい基準も設定された。石炭拡大活動に従事するプロジェクト及び企業に対する新規ファイナンスと、新規石油・ガス拡張活動に関連する新規プロジェクトファイナンス及び新規プロジェクト保険を即時禁止しなければならない。また、新規石油・ガス拡張活動に従事する企業への融資及び保険を2030年までに禁止することにもコミットしなければならない。

 次に、重大な森林破壊へのエクスポージャーを特定した場合には、森林破壊対策のエンゲージメント計画を公表しなければならない。同計画には、森林破壊対策に関する戦略の概要と行動計画のタイムラインが含まれ、エンゲージメント計画の進捗状況は公表しなければならない。

 不動産セクターでも、グリーンビルディング以外へのファイナンスを禁止する方針を掲げることが推奨された(必須ではない)。

【参照ページ】The SBTi opens net-zero standard for finance industry

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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