
日本生命保険は9月18日、「スチュワードシップ活動報告書」の2024年版を発行した。投資先エンゲージメントと議決権行使の状況を伝えるため、同社は2021年から毎年同報告書を発行している。
同社のエンゲージメント先は、2022年7月から2023年6月までの期間で674社。エンゲージメント数は1,141回に上った。そのうち環境・社会関連での対話は604社、ガバナンス関連での対話は331社。特に2023年度には、スコープ3排出量の上位43社に対し、スコープ3排出量の削減に向けたアクションの開示を要請する対話も始まった。
自然資本の点では、自然感財務情報開示タスクフォース(TNFD)が推奨する「ENCORE」ツールをもとに、保有額の大きい企業のうち、自然資本に対する「依存」が高い、または「影響」が大きいと思われるセクターを対話先として優先的に選定し、情報収集や分析を開始。将来的には、具体的な投資先への要請内容を固めていく考え。
人権観点では、2023年9月から保有額の大きい企業のうち、人権方針の策定や、人権デューデリジェンスの実施が確認できない51社を対象に開示を要請するエンゲージメントを開始。51社全てが対応に前向きな姿勢を示しているという。
さらに人権に関し、旧ジャニーズ事務所事案では、テレビ、映画、舞台等の芸能関係企業、芸能事務所と出演依頼元の仲介を行う広告代理店、CM等に当事務所タレントを起用した広告主で合計62社を対象に、人権方針の策定と人権デューデリジェンスの実施を求めるエンゲージメントを実施。特に、芸能事務所を人権デューデリジェンスの対象としてる企業はゼロだったが、エンゲージメントした全ての企業が同事案を重く受け止めており、今後の対応・開示にも前向きな姿勢を示した模様。
同社は、エンゲージメントの効果測定として、重要な論点の解消をKPIとしており、3年から5年のスパンで7割超が議決権行使に係る重要な論点が解消されたとしている。
【参照ページ】スチュワードシップ活動報告書(2024年)の公表について
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