
海運世界大手デンマークのA.P.モラー・マースクは12月2日、8月に発表した船隊活性化計画のうち、自社保有分となる20隻の新造船を発注したと発表した。同計画の残りについては、複数の大手プロバイダーとチャーター契約を締結した。
同社は2月、スコープ3を含むバリューチェーン全体での2040年カーボンニュートラル目標で、科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)からネットゼロ・スタンダードでの承認を獲得。長期目標では、2040年までにスコープ1とスコープ2の二酸化炭素排出量を総量で2022年比96%削減、スコープ3で90%削減。短期目標では、2030年までにスコープ1での二酸化炭素排出量を2022年比34.7%、スコープ3排出量を21.9%削減を設定している。
【参考】【国際】APモラー・マースク、SBTiネットゼロ・スタンダード承認。2040年カーボンニュートラル(2024年2月10日)
8月に発表した船隊活性化計画では、2021年に開始した船隊更新プログラムを継続し、2026年から2030年までの5年間で80万TEUの新造船発注と定期用船契約の締結し、全てデュアル燃料船にすることを決定したと公表。年間ベースでは約16万TEUの更新ペースでデュアル燃料船の新造船発注と定期用船契約の締結を進めるとしていた。そのうち自社船が約30万TEUで、定期傭船契約が50万TEU。自社船と傭船をあわせて50隻から60隻とした。
デュアル燃料船では、メタノールと液化ガスのデュアル燃料推進システムの組み合わせを選択。短期的にはグリーンメタノールが最も競争力があると予測したが、液化バイオメタンを含むマルチフューエルも見据えている。実現すると、マースク船舶の約25%がデュアル燃料船となる。
今回の発表では、発注した自社船20隻が、液化ガスのデュアル燃料エンジンを搭載し、大きさは9,000TEUから17,000TEUまで複数で構成し、合計で30万TEU。引き渡しは20238年から2030年の間に実施。発注先は、17万TEU船6隻と9,000TEU船2隻が、中国の揚子江造船。15万TEU船は、6隻が韓国のハンファオーシャンで、6隻が中国の新時代造船。
【参照ページ】Maersk completes order of 20 dual-fuel vessels
【参照ページ】Maersk continues with fleet renewal plan
【画像】Maesk
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