
生物多様性及び生態系サービスに関する政府間プラットフォーム(IPBES)は12月16日、IPBES第11回総会の場で、生物多様性、水、食糧、健康の相互関係に関する評価報告書「ネクサス評価報告書」を発表。また12月18日に、「変革的変化報告書」を発表。同総会が双方とも承認した。
ネクサス評価報告書は、57カ国から専門家165人が3年をかけて作成。生物多様性、水資源、気候変動、食料、健康の5つの分野の相互連関性を特定した。経済活動が、これら5つの分野に及ぼす影響による隠れたコストは、少なくとも年間10兆米ドルから25兆米ドルに上ると推定された。また、世界が対策を先延ばしにするほど、生物多様性目標の達成にはコストが2倍に膨らむこともわかった。
(出所)IPBES
同報告書では、世界の国内総生産(GDP)の半分以上、すなわち世界中の年間経済活動の50兆ドル以上が、自然に中程度から高度に依存していると分析した世界経済フォーラムの報告書の内容も引用。自然界へのコストを無視したまま短期的な財務上の利益を優先する現在の意思決定に警鐘を鳴らした。現状では、生物多様性に悪影響を及ぼす経済活動の規模は、現在年間5.3兆米ドル。これらの経済活動に対する直接的な公的補助金は現在年間約1.7兆米ドルもある。
【参考】【国際】世界経済フォーラム、世界経済44兆米ドルが生態系サービスに依存。自然保護必要性で警鐘(2020年1月30日)
また同報告書では、「自然志向型」「バランス型」「環境保全ファースト」「気候ファースト」「食料ファースト」「ネクサス搾取」の6つのシナリオにより、どのようなインパクトが想定されるかもシミュレーションした。
(出所)IPBES
さらに、全体でコベネフィットを最大限に高めるため、現在想定されている71の対策オプションについて、インパクトを比較した。
(出所)IPBES
もう一つの「変革的変化報告書」は、42カ国から専門家100人以上が3年をかけて作成。公正で持続可能な世界を実現するための構造的な処方箋を検討している。具体的には、変革的変化を、「見方(考え方、知識、見方)」「構造(組織化、規制、統治方法)」「実践(行動、振る舞い、関わり方)」におけるシステム全体の根本的な転換と定義。その上で5つの戦略を示した。
- 生物文化的多様性を示す人と自然にとって価値ある場所を保全、回復、再生する
- 自然の衰退に最も責任のあるセクター(農林水産業、インフラ・都市開発、鉱業・化石燃料)において、生物多様性を主流化し、体系的な変革を推進する
- 自然とエクイティのために経済システムを変革する
- ガバナンス・システムを包括的で、説明責任を果たし、適応性のあるものに変革する
- 人間と自然の相互関係を認識するために、見方や価値観を変える
【参照ページ】Media Release: IPBES Nexus Assessment
【参照ページ】Media Release: IPBES Transformative Change Assessment
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