
ビジネスの国連持続可能な開発目標(SDGs)推進国際NGOのWorld Benchmarking Alliance(WBA)は1月21日、400の金融機関を対象にサステナビリティ・ランキング「金融システム・ベンチマーク」の2025年版を発表した。同ベンチマークは2022年に初めて実施されており今回が2回目。
【参考】【国際】World Benchmarking Alliance、2025年「SDG2000」リスト発表。評価対象企業 (2025年1月18日)
同ベンチマークは、400の世界の金融機関を対象にサステナビリティに関する評価を実施したもの。HSBC、バンク・オブ・アメリカ等の銀行、保険会社、年金基金、政府系ファンド、開発金融機関、資産運用会社等であり、資産総額200兆米ドル(約3京円)が対象。日本からは26社が対象となった。
同ベンチマークでは、「戦略、ガバナンス、スチュワードシップ」「気候と自然の保全・再生ファイナンス」「環境フットプリント」「インクルーシブ・ファイナンス」「責任あるビジネス慣行」の5つの項目に対して100点満点で評価し、総合スコアを算出。
総合スコアが40点を超えたのは1社のみで、マレーシアのCIMBが第1位。10位までは、INGグループ、欧州投資銀行(EIB)、ナショナル・オーストラリア銀行、アリアンツ、BBVA、ブリティッシュ・インターナショナル・インベストメント、ダンスケ銀行、ナットウエスト・グループ、ABNアムロ。日本の金融機関の上位3行は、三井住友銀行が20位、みずほフィナンシャルグループが31位、東京海上ホールディングスが55位だった。
他には、ゆうちょ銀行88位、第一生命ホールディングス92位、MS&ADインシュアランスグループホールディングス95位、農林中央金庫116位、三井住友トラストグループ128位、野村ホールディングスとかんぽ生命保険が143位タイ、SOMPOホールディングス147位、三菱UFJフィナンシャル・グループ(166位)、住友生命保険179位、りそなホールディングス199位、オリックス211位、日本生命保険228位、T&Dホールディングス233位、名安田生命保険258位、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)320位、信金中央金庫345位、ソニーフィナンシャルグループ361位、国家公務員共済組合連合会(KKR)、企業年金連合会(PFA)、地方公務員共済組合連合会、全国市町村職員共済組合連合会、全国共済農業協同組合連合会(全共連;JA共済)は0点で最下位だった。
全体では、気候移行計画を策定している金融機関はわずか3%であり、気候変動の影響を受ける労働者やその他ステークホルダーへの影響に対処する計画を策定したのは1社のみ。新たな化石燃料プロジェクトを支援しないコミットメントを発表しているのは5%、気候変動対策への資金提供を拡大する目標を掲げているのは6%、自然資本へ与える影響を管理するための戦略を策定したのは2%だった。
国連気候変動枠組条約第29回バクー締約国会議(COP29)では、途上国向けの2035年気候変動資金協力目標「新規合同数値目標(NCQG)」として、3,000億米ドルの資金提供が合意された。しかし、低・中所得国への資金提供計画を明示したのは6%だった。
評価対象の60%以上がサステナビリティを推進する担当組織を割り当てている一方で、資金調達活動と重要なインパクトを連動させたエビデンスに基づく戦略を策定していたのは1%しかなかった。人権においても、25%が人権保護に取り組んでいると主張しているが、資金調達活動における人権リスクを特定するためのデューデリジェンスプロセスを導入しているのは6%。具体的な活動レベルでの変化が進んでいないことに警鐘を鳴らした。
米国における反ESG政治運動(ESGバックラッシュ)についても言及。米国では、2050年までの運用ポートフォリオのカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量ネットゼロ)にコミットする運用会社のイニシアチブ「Net Zero Asset Managers(NZAM)」や、銀行の気候変動イニシアチブ「Net-Zero Banking Alliance(NZBA)」からの大手金融機関の脱退が相次いでいる。NZAMは2025年1月、組織としての方針や活動の見直し作業を開始したと発表している。
【参考】【国際】NZAM、活動の見直し作業開始。米国の動向受け。詳細内容は今後検討(2025年1月17日)
WBAは、今回の調査結果で示した先進的な金融機関の取り組みが、他行のモデルケースとなり、各金融機関の今後の方針決定の議論に役立つとした。また、2025年にブラジルで開催される国連気候変動枠組条約第30回ベニン締約国会議(COP30)等での多国間の合意を得るプロセスにおいても活用可能であり、サステナビリティへの取り組みの強化を訴えた。
【参照ページ】Benchmark findings point to finance leaders needing to double down on sustainability, not back away
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