
韓国国会の電力政策検討委員会は2月21日、韓国産業通商資源部が2024年5月に原案を発表した第11次電力需給基本計画を承認した。当初予定から1年以上遅れ、2024年から2038年までの長期計画を確定した。
今回の計画は、韓国の電力需要は2024年から2038年の間に年平均1.8%増加し、2038年には129.3GWに達するとした。新規発電設備容量は2038年までに10.3GWと見立てた。大幅な電力需要の増加は、半導体等の製造業需要、AI普及によるデータセンター拡大、ゼロエミッション電源増強等によるもの。
今回の計画では、原子力発電の発電量を2023年の180.5TWhから2038年には248.3TWhに、再生可能エネルギーの発電量を2023年の49.4TWhから2038年には205.7TWhにまで引き上げる。同時に2023年位はゼロのクリーン水素・アンモニアによる発電量も2038年に43.9TWhにする。これにより、ゼロエミッション電力割合を2023年の229.9TWhから2038年には497.8TWhにする。
これにより、ゼロエミッション発電割合は、2023年の39.1%から、2038年には70.7%へと上昇。内訳は、原子力発電が2023年の30.7%から2038年に35.2%へ、再生可能エネルギー割合が8.4%から同29.2%、クリーン水素・アンモニアの割合は2023年の0%から2038年に6.2%へと上昇する。
原子力発電については、すでに計画されているシンハヌル2号機、セウル3・4号機、シンハヌル3・4号機の合計5基の円滑な建設と継続的な運転が前提。これら5基で7GWとなる。さらに2038年までにさらに2基の大型原子炉(合計2.8GW)と、0.7GWの小型モジュール炉(SMR)1基が必要となる。SMRは、安全性を確保するための技術開発、標準設計承認の取得等を経て、2030年代初頭に建設許可を取得し、2035年までに商業化されることが想定されている。
原子力発電政策では、文在寅(ムンジェイン)前大統領が脱原発政策を掲げていたが、2020年5月に政権交代した尹錫烈(ユン・ソクヨル)大統領が同政策を撤回していた。
石炭火力発電は2023年の184.9TWh(割合31.4%)から2038年には79.9TWh(割合10.1%)へと縮小。天然ガス火力発電は、2023年の157.7TWh(割合26.8%)から2030年には161.0TWh(割合25.1%)へと多少増やすが、2038年には74.3TWh(割合10.6%)へと大幅に削減する。
実現に向けては、まず第10次電力需給基本計画で掲げられていた老朽化した石炭火力発電所28基を天然ガス火力発電に転換する計画は維持。加えて、2038年度までに老朽化する追加12基については、揚水発電、水素発電、アンモニア混焼等のゼロエミッション電源への転換を進める。
韓国政府は、第11次エネルギー需給基本計画に続き、2025年上半期に第11次送変電設備計画を、下半期に第16次天然ガス需給計画の策定を予定している。
【参照ページ】(참고자료)「제11차 전력수급기본계획」 확정
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