
EU上院の役割を担うEU加盟国閣僚級のEU理事会とEU下院の役割を担う欧州議会は4月8日、プラスチックペレットの環境流出を防止するための新たなEU規則制定で政治的合意に達した。今後、双方での立法手続に入る。
新たなEU規則では、年間5t以上のプラスチックペレットの取扱事業者(製造、加工、保管、物流等)と、EU及び非EUのプラスチックペレット輸送事業者(陸運・海運含む)に対し、プラスチックペレットが自然環境中に流出した場合に、封じ込め及び清掃の即時対応を義務付ける。非EUのプラスチックペレット輸送事業者は、EU域内にプラスチックペレットを最初に輸送する前に、EU域内にある指定代表を指定することも義務付け、指定代理店が同規則の遵守責任を負う。
欧州委員会の原案では、海運輸送事業者は同EU規則の対象となっていなかったが、EU理事会と欧州議会は、海洋プラスチック汚染を考慮し、海運も対象とすることで合意した。
また、プラスチックペレット取扱事業者は、プラスチックペレットの流出を防ぐためのリスクマネジメント計画の策定、当局への提出、年次の内部監査を義務付ける。流出時に即時対応するための設備の設置も必須となる。プラスチックペレット取扱事業者とEU及び非EUのプラスチックペレット輸送事業者は、従業員研修、記録保持、ペレット両出料の年次報告も義務付ける。
法令遵守の状況については、企業規模でルールを分ける。年間のプラスチックペレット取扱量が1,500t以上の事業者は、独立した第三者によって発行された同EU規則遵守の証明書を毎年取得することも義務化。但し、取扱量が年間1,500トン以上だが、EU分類で「小規模企業」に該当する企業は、同EU規則発効後5年以内に、証明書を1回だけ取得すればよい。年間取扱量が1,500t未満の企業と、EU分類で「零細企業」に該当する企業は、証明書の取得は一切不要で、自己適合宣言書を発行するだけでよい。欧州委員会の原案では、基準値が1,000tだったが、EU理事会と欧州議会は1,500tに引き上げた。
EU加盟国の既存の許認可制度を通じて同EU規則の内容を満たしている場合には、証明書や自己適合宣言書の取得や発行が不要となる。環境マネジメントシステム(EMS)を導入し、EMAS(EU環境監査制度)に登録している事業者も特例措置が設けられる。
同EU規則は、EU理事会と欧州議会で可決し、EU官報掲載された後、2年後に適用される予定。但し、海運事業者に対するルールの適用は3年後に適用される。
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