
国際労働機関(ILO)は6月16日、「労働環境における生物学的な危険からの保護に係る条約(ILO192号条約)」を採択した。同条約の加盟国に対し、生物学的な危険からの予防と保護を含む労働安全衛生に関する政策の策定を求める。
「生物学的な危険」とは、微生物、細胞または細胞培養物、寄生虫または非細胞性微生物実体(遺伝子組換えされたものを含む)、及びそれらに関連するアレルギー源や毒素の他、業務に関連して曝露された場合、人の健康に危害を及ぼす可能性のある植物または動物由来のアレルギー源、毒素、刺激物質を指す。同分野ではILOはこれまでガイドラインを策定していたが、今回初の条約が誕生した。
同条約では、政府に対し、所轄官庁による生物学的リスク評価に基づき、労働環境における生物学的危険への曝露に対する保護を、労働安全衛生に関する国内政策に統合し、当該政策を定期的に見直すことを義務化。生物学的リスク評価では、気候及び環境リスクが労働環境における生物学的危険への曝露に及ぼす影響と、特定されたリスクを予防し対処するための適切な行動をとることも含まれる。
さらに、政府に対し、生物学的リスク評価に基づき、予防的及び保護的措置と、必要に応じて予防的措置に関する国内取決め及び指針を策定、公表、定期的に見直しするとともに、使用者、労働者およびその代表者に関連情報や支援を適時提供することも義務化した。
次に、事業者に対しては、合理的に実施可能な場合に、適切かつ必要な予防措置および保護措置を講じ、管理下にある労働環境が生物学的な危険への曝露による安全および健康へのリスクがないことを確保することを義務化。感染症の発生を考慮し、労働環境における生物学的な危険に関連する事故、事件、緊急事態に対処するため、企業の規模や性質に応じた準備・対応計画及び手順を確立することも義務化した。
同条約は、2カ国以上が批准し、ILO事務局長に批准書が登録された日から12カ月後に発効する。
【参照ページ】ILO adopts landmark Convention on biological hazards in the working environment
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