
シンガポール金融大手DBS、OCBC(華僑銀行)、UOB(大華銀行)は6月26日、シンガポール通貨監督庁(MAS)の支援を受け、自然関連リスクと依存が信用リスクに与える影響を分析した研究報告書「自然関連金融リスクの特定と評価能力の強化」を発行した。作成には、ケンブリッジ大学サステナビリティ・リーダーシップ研究所(CISL)も協力した。
シンガポールの金融大手が同様の報告書を作成したのは今回が初。銀行が自然関連の依存を特定・評価し、企業貸付ポートフォリオ内の自然関連リスクの潜在的な財務的影響を評価するための内部能力を構築することを目的とし、2024年1月に研究を開始。3つの銀行の貸付ポートフォリオを対象に、自然依存度分析を実施した。その後、東南アジアのGDPの11%を占め、気候変動や自然関連の中断に極めて脆弱な食品・農業セクターに焦点を当て影響を把握した。特にパーム油セクターがパイロット・ケーススタディとして選定された。
分析内容では、パーム油生産に与える影響を、生態系劣化、水不足、長期的な旱魃、気温上昇、山火事等、軽度から深刻なまでのさまざまな仮定シナリオで分析された。また、各銀行のサンプルクライアントのデータからは、上流企業は統合型企業に比べて自然関連リスクの影響に一般的により敏感であることが示された。また、財務基盤が比較的堅固な顧客は、短期的な急性リスクに対してより耐性があることも確認された。
一方、研究を通じ、生物多様性の喪失、生態系の劣化、極端な気象現象に関連する財務リスクを定量化・対応するためには、さらなる研究、データ収集、分析、協働が必要であることも浮き彫りとなった。
【参照ページ】DBS, OCBC and UOB launch first-of-its-kind report to understand the potential financial implications of nature-related risks
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