
キリンホールディングスの飲料未来研究所とキリン中央研究所は9月12日、高温・乾燥耐性を後天的に付与する苗作成技術を開発したと発表した。気候変動適応策として、猛暑や旱魃によるホップの収量・品質の低下の課題に対応する。
冷涼な気候を好むホップの栽培では、高温や乾燥環境下で生育不良を起こし、世界的に収量や品質が低下している。それにより、原料価格の高騰や、製品品質への影響が懸念されており、気候変動下でも安定的に栽培・調達できる技術の開発が求められている。
今回の研究開発では、同社が長年培ってきた植物培養技術を活用し、液体培地(培養液)でホップ苗を大量に増やす過程で、25℃の環境下で6週間育てる熱処理を実施。ホップに高温・乾燥への耐性を後天的に付与する苗作成技術を開発しました。同技術は、従来の品種改良や遺伝子改変を伴わず、ホップ本来の香りや味わいを保ちながら耐性を持たせることが可能。同技術は、国際ホップ生産団体(International Hop Growers' Convention)の科学技術会議で発表された。
同研究では、高温環境と乾燥環境のそれぞれの試験において、熱処理をしたホップ苗は、未処理苗と比較して草丈・クロロフィル(葉緑素)含量が有意に高く、生育不良の改善と耐性付与が確認された。また試験圃場では、熱処理をしたホップ苗の草丈や地上部の重量は未処理苗と比較して有意に高く、毬花(まりばな)の収穫量が多い傾向にあることがわかった。
同社は今後、苗の大量生産技術の高度化や、熱処理による生理学的変化の解明、複数の圃場・品種への適用性検証等を進め、海外での実装化を検討していく考え。
【参照ページ】ホップの苗に高温・乾燥耐性を付与する技術を開発
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