
世界経済フォーラム(WEF)は10月14日から16日、アラブ首長国連邦のドバイで、年次総会「グローバル・フューチャー・カウンシル」とサイバーセキュリティ会議を開催。政府、企業、NGO、メディアから500人以上の専門家と、世界を代表するサイバーセキュリティリーダー150人が参加した。
今回の会合では、変化する社会環境下でのイノベーションと成長、サイバーセキュリティ、気候変動対策、エネルギー、保健、食糧等が主なテーマとなり、世界経済フォーラムの分野横断的な未来志向の知見を結びつけ、新たなリスクと機会を予測する議論が展開された。
インクルーシブ成長のためのイノベーションのテーマでは、競争力あるビジネス環境、民間投資、産業政策、グリーン・デジタル移行が強調され、有意義かつ持続可能な経済成長と先見的なアジェンダを推進しうる主要なイノベーション、政策、ビジネスモデルが重要という考えが打ち出された。
特に分散型金融、体験経済、ジェンダー平等、人的資本開発、ロボティクス、創生生物学、汎用人工知能(AGI)、ニューロテクノロジー、次世代コンピューティングにおける調整・準備・ガバナンスを進めることでも一致。先進的製造とバリューチェーン、ガバナンス枠組み、社会間の信頼と対話の再構築、援助の再構想、GovTech(政府のデジタル技術)とデジタル公共インフラについても議論された。
また、雇用の未来について新たな報告書「明日の仕事:技術と世界最大の労働力の未来」も発行された。AI、ロボティクス、先進エネルギーシステム、センサーネットワークの4つの技術が、世界の労働力の80%を占める農業、製造業、建設、小売・卸、輸送・ロジスティクス、経営支援、ヘルスケアの7つの職種群をどのように変革するかを分析した。
さらに、金融教育を重点テーマとするポータルサイト「Financial Education Resource Hub」がリリースされ、政府、企業、NGOのリーダーが金融インクルージョンを推進するために活用できるベストプラクティス・研究・解決策の情報が提供されていくことになった。
サイバーセキュリティの分野では、先進国と新興国、大企業と中小企業の格差を埋めることが、世界のサイバー成熟度にとって不可欠との意見が出た。また、最近のサイバー攻撃事例をもとに、レジリエンスが企業を超えてサプライヤー、パートナー、サービスプロバイダーにまで拡大されなければならないことも強調された。対策としては、共有プラットフォーム、サイバー保険、官民共同のトレーニング・イニシアチブ等が挙げられた。
参加者からは、特に先進技術が法的枠組よりも急速に加速する状況下で、イノベーションとガバナンスの均衡を図る必要性が強調された。技術領域に従来の国家主権概念を適用するのではなく、国境を越えた信頼構築がサイバーレジリエンスに不可欠となり、プライバシー、主権、説明責任の均衡を図るため、整合性のある枠組と持続的な官民連携が重視された。
さらに、生成AI型詐欺、サプライチェーン混乱、地政学的緊張の高まり等の新たな課題が、レジリエントなサイバー未来を推進する鍵と認識された。意図しないバイアス、悪用、システム障害を防ぐため、AI駆動型防御システムに対する人的監視も不可欠とされた。
気候変動対策、食料、健康、エネルギー転換では、新興技術によるインパクトを議論。特に、プラネタリー・ヘルスのための新興技術に関する報告書が発表され、10の技術にスポットライトが当てられた。
- 精密発酵
- グリーンアンモニア生産
- 自動食品廃棄物アップサイクル
- メタン回収・利用技術
- グリーンコンクリート
- 次世代双方向充電
- 迅速かつ精密な地球観測
- モジュール式地熱エネルギー
- 再生型海水淡水化
- 土壌健全性技術の融合
また、自然資本を世界経済に統合するための知見をアップデートし、革新的な資金調達、自然・安全保障の連携、大気浄化、気候・自然ガバナンス、森林経済、地球工学、薬剤耐性(AMR)に関するアクションを進めることで一致。加えて、科学・公平性・レジリエンスに基づく再生型海洋経済の共通ビジョンを提示し、気候・自然・食料安全保障にとって不可欠な土壌健全性の重要性を再確認した。
【参照ページ】Annual Meetings of the Global Future Councils and Cybersecurity 2025 – Resilience and Future-Ready Solutions
無料会員に登録すると、
有料記事の「閲覧チケット」を毎月1枚プレゼント。
登録後、すぐにご希望の有料記事の閲覧が可能です。
無料登録してチケットを受け取る
【無料会員向け】有料記事の閲覧チケットの詳細はこちら
または
有料会員プランで
企業内の情報収集を効率化
- 2000本近い最新有料記事が読み放題
- 有料会員継続率98%の高い満足度
- 有料会員の役職者比率46%
有料会員プランに登録する