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【国際】避難民の75%・約9000万人が気候高リスク国に滞在。社会不安要因に。UNHCR

【国際】避難民の75%・約9000万人が気候高リスク国に滞在。社会不安要因に。UNHCR 1

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は11月6日、国連気候変動枠組条約第31回アンタルヤ締約国会議(COP31)を前に、紛争や迫害で故郷を追われた難民及び国内避難民と気候変動の関係を分析した報告書「No Escape III」を公表した。避難民の約4人に3人にあたる約9,000万人が、旱魃や洪水、酷暑への曝露が「高い」から「深刻」な国で暮らしている一方、多くの難民を受け入れる脆弱・紛争影響国に流れる気候資金は世界全体の約10%にとどまると指摘した。UNHCRは、11月9日にトルコ・アンタルヤで開幕するCOP31に向け、避難民を各国の気候計画と資金メカニズムに組み込むよう求めた。

 「No Escape」はUNHCRがCOPに合わせて公表しているシリーズ。初回は2024年11月にCOP29の会期中に公表され、気候危機と紛争、強制移動の関係をデータに基づいて分析した初の報告書と位置づけられた。2025年11月10日に公表された第2作「No Escape II」は解決策に焦点を当て、気候・人道・開発分野の連携、実際に利用できる包摂的な資金の重要性に加え、イノベーションや投資を通じた民間セクターの早期かつ長期的な関与を求めた。

 今回の報告書は気候変動を難民にとって将来の脅威ではなく、すでに進行中の危機と強調。避難先で深刻な旱魃や洪水、酷暑に見舞われる例は多く、2026年に発生している例外的に強いエルニーニョ現象がさらなる避難を引き起こすと警告した。予測では、エルニーニョに関連した洪水により、ソマリア、ケニア、南スーダン、ウガンダの4カ国で、2026年末までに最大約300万人が住まいを追われる恐れがあるという。

 また、2050年までにサブサハラ・アフリカの難民居住地の3カ所に1カ所が、年間100日以上の危険な暑さにさらされる可能性があると試算。無国籍者については、世界の無国籍者の約90%が気候ハザードへの曝露が高い国に暮らしており、法的な身分を持たないために災害時の支援を受けにくい状況にあるとした。

 帰還という「恒久的解決」も揺らいでいる。2026年上半期に帰還した難民の3分の2超は、気候ハザードに対して脆弱性の高い国に戻った。シリアでは最近約400万人が帰還したが、地下水の減少や気候ショックが10年以上に及んだ戦争からの復興を脅かしており、5月にはユーフラテス川の洪水で住宅が被害を受け、数千人が再び避難を余儀なくされた。

 UNHCRで事業運営を担当するアントン・レイス・ガルシア高等弁務官補は、難民は自ら引き起こしたわけではない紛争から逃れ、さらに自らがほとんど寄与していない気候危機の最前線に立たされているとして、これを「二重の不正義」と表現。同氏は、すでに多くを失った人々を国際的な気候アクションから取り残してはならないと訴え、COP31を、避難民のリーダーシップを認め、大胆な公約を実行に移す転換点にすべきだと述べた。

 気候ハザードにさらされた避難民を多く抱える脆弱・紛争影響国が受け取る気候資金は世界全体の約10%にすぎない。一般に、治安の不安定さや統治能力の弱さを抱える国々は資金供与のリスクが高いとみなされやすく、適応資金が最も必要な地域ほど届きにくいと指摘されてきた。今回の統計は、その偏りが依然として大きいことを裏付けるものといえる。一方、同報告書は、避難民を支援の受け手としてだけでなく、解決策の担い手としても描いている。避難民によるサヘル地域での太陽光発電を活用した給水システム、ウガンダでの気候変動に強い農業、コロンビアでの土地とマングローブの再生が、その例として挙げられた。

 UNHCRは、COP31に向け、各国政府と気候変動資金を提供する機関に対し、難民やその他の避難民を国の気候計画と資金メカニズムに含めるよう働きかける方針。パリ協定の下で各国が提出する「国別削減目標(NDC)」や国家適応計画は、自国民を主な対象として設計されることが多く、国境を越えて逃れてきた難民や、法的身分を持たない無国籍者は、計画の対象からも被害統計からも漏れやすい。

【参照ページ】‘No Escape’ for refugees on the frontlines of the climate crisis

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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