
英環境・食料・農村地域省は12月30日、イングランド地方での廃棄物焼却施設の新設計画に対する規制を強化すると発表した。炭素回収設備の導入を義務化する。
同省は、残余廃棄物に関し、2042年にイングランド地方で発生する全ての残留廃棄物(主要鉱物廃棄物を除く)の一人当たり重量を、2019年比で50%減となる287kg以下に抑えることを法定目標として設定している。一方、2023年度の状況では、廃棄物の49%が焼却処分され、リサイクル率は40%にとどまっている。
今回の発表は、英政府が今後予定しているパッケージのリサイクル率向上政策による廃棄物削減を前提としつつ、それでも埋立処分を減らすために焼却を行う施設に関し、エネルギー回収の導入を強化するというもの。エネルギー回収には、発電、熱電併給、ガス化・熱分解・SAF化が含まれ、さらに国内消費だけでなく、燃料として海外輸出も視野にいれる。
イングランド地方では、2025年から容器・包装(パッケージ)の拡大生産者責任制度(ERP)が開始される。義務適用事業者は、年間のパッケージ製品の売上が100万ポンド以上で、英国市場に年間25t以上のパッケージ製品を輸入もしくは供給している事業者。リサイクル関連の収益を除外した収益に課税され、パッケージの使用を減らすか、リサイクル可能な素材に転換する場合には課税が減額される。
また、同じくイングランド地方では、2025年からパッケージのシンプル素材化政策「シンプラー・リサイクリング」も導入され、イングランド全土でリサイクル可能な素材の最低基準を設け、達成のための再処理施設への投資を促進。これにより、国民が「何がリサイクルできるか」の認識が明確になり、リサイクルを促す。さらに、イングランド地方、スコットランド地方、北アイルランド地方では、2027年から飲料容器のデポジット・リターン制度(DRS)も導入される。
これらの3つの包装改革を通じ、2035年の残余廃棄物を2,780万tから1,940万とに抑制。リサイクル用に回収される材料を1,090万t増やす。その上で、残余廃棄物の処理能力を現在の2,060万tから2035年に2,490万とに増やし、そのうちエネルギー回収施設の容量を現在の1,430万tから1,880万tにまで増やす。これらを通じ、埋立廃棄の割合を10%以下に抑制する目標を達成する。
廃棄物発電(ごみ発電)施設の新設及び大規模改修に関しては、炭素回収設備の導入を必須にすることを今後検討する。現段階では、炭素回収・貯留(CCS)との接続が想定されているため、貯留施設の近くに廃棄物発電所がシフトしていくことも念頭に置かれている。英国ではすでに、チェシャー州にViridor社のRuncorn工場と、Encyclis社のEllesmere PortのProtos Energy Recovery Facility開発の2つで、廃棄物発電CCSプロジェクトが進行している。
【参照ページ】Government to crack down on waste incinerators with stricter standards for new builds
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